20150420

元ゴルフ研修生クラフトマンのゴルフ相談ブログ: 回答の反論です

【反論】

「数日前は解答ありがとうございます。



※前回の質問と回答

http://golfjyoutatu.seesaa.net/article/417489524.html?1429492339




数年前もそうですが 貴殿は現状を認識していますか? 都合が良いですか…そうですね ならサイエンスアイフィールドのある量販店でシャフトにテープを貼ってインパクトライを計測してる店がどれだけあるでしょうか? ライ調整するときネックに当て布するなりの処置をする店がどれだけあるでしょうか? 私の自宅から半径30㎞で一つもありませんよ

たったテープと当て布すら用意しないのが現状ですよ。さらに7番アイアンのインパクトライ57.5ならそのライのアイアンを売りにくる始末が大半 これは私だけじゃないんですよ?わかってます?雑誌にある有名店は逆にカメラが無くライが計れない…こっち側は上手く使い分けるしかないのわかってます? でなきゃ顔も店も載せない得体の知らない貴方にアドバイスを求めないですよ私だけじゃなくてね… 因みに貴方のアドバイスの1番3番ウッドの重量差の作り方は信用してません。なら三菱のカタログにあるディアマナやフブキの推奨シャフトに同一シャフトがチャートされてる理由は何故?(開発時振動数計測、グラファイトは開発時剛性分布計測くらいは知ってる)貴方は開発部以上の知恵と資金と経験があるんですね?… まぁどうせblogに載らないでしょうけど 私は数年前に競技に戻りました 現状HC 5です」






【回答】

都合が良いというのは、他所で購入したクラブを持って計測や安価な調整だけを依頼すること、です。

例えば、試打は計測器のある大手ショップで実施し、クラブ購入はより安価なネットショップでする。

そして、そのクラブの調整を、大手ショップに持って行って、サイエンス・アイでインパクト計測をする。

これは、都合の良い行動ということです。

サイエンス・アイなどの測定器は、知識を持って活用すれば、非常に有益な情報を得ることができます。

普通に練習しているだけでは分からないこともデータで簡単に確認できます。

つまり、価値あるものなので、嫌な顔をされずに活用したいなら、少し割高でも、たまにはそのお店でクラブを購入すると気持ちよく利用できるし、お店も喜ぶ、ということです。



テープと布の件ですが、ひとつ実例を出しますと、ゴルフ5さんでインパクトライ角測定カメラと天井カメラを設置しているお店は、インパクトライ角を計測する場合はシャフトにテープを、天井カメラで撮影する場合はクラウンにテープを貼ることをルールとしているそうです。

ライ角を計測するとき、テープを貼ってくれないなら「貼ってもらっても良いかな〜」とお願いすると貼ってくれるでしょう。

中にはルールを無視して面倒臭がって貼らない人もいるかもしれませんがそんな店員さんは少数だと思います。基本は、テープを貼ります。

ゴルフ5さんは200店舗あります。多分、100店舗以上はサイエンス・アイのインパクトライ角、天井カメラが設置されているのではないかと思います。

なので、ゴルフ5さんだけ見ても100店舗以上はテープを貼ります。



ライ角の調整も、ゴルフ5さんは基本的に布でカバーすることをルールとしています。

布をかぶせない場合はルール違反になります。

工房もゴルフ5さんは100店舗くらいはあるのかもしれません。(詳しくはわかりませんが)

なので、これも100店舗以上はやっているということになります。

心配なら事前に「布はかぶせてやってください」と言うと良いです。

個人の工房はかぶせない所が多いように感じます。

私は当然、布はかぶせます。(布だけではありません。極力、メッキの凹み、シワがつかないようにします)



インパクトライ角に合わせたものを売りに来る、というケースは、どこのショップも、おっしゃるように非常に多いと感じます。

これはショップ側が良くないです。

特に、大手ショップは基本的にスイングの改善はあまり重視しません。(当然ですが)

言ってみれば悪いスイングでもそれにクラブを合わせて来てしまうことがほとんどです。

これはショップの問題と言えるでしょう。

大手ショップの場合はこういうことをやってくることが多いです。

クラフトマン系の販売員であれば、個人の考え方によっては正しいアドバイスをしてくれるでしょうけど、基本的にそういうアドバイスは良心的な対応です。

なので、消費者が知識をみにつけて防衛する必要がありますね。



雑誌にあるような個人有名店の多くはサイエンス・アイフィールドのインパクトライ角計測器は導入していません。

アキュベクターや、最近はスカイトラックなどが多いように感じます。

ライ角調整も布をかぶせない所が多く、メッキの凹みなどの傷がつくのは当然という有名ショップもありますが、私はこれは間違いだと考えます。

布をかぶせても調整は問題無くできますので、かぶせるべきだと考えています。



私は顔も工房も公開しません。

工房に問い合わせされても対応できないからです。

今後も公開することはありません。

なので、「どんな経歴のあるどこの誰が言っているか」ではなく、単に、「何を言っているか」内容だけで判断してください。



1Wと3Wの重量差、剛性差の作り方は、私が言っているようなこと(というよりも、共通の認識として皆持っていることです)クラブ設計者、シャフト設計者も理解しています。

私には開発者のような資金もシャフト設計経験もありません。

ですが、きちんと番手別(長さ別設計)をしたほうが良いのはクラブ設計者の方と共通の認識として持っています。

理由があって詳しくは言えないのですが、シャフトメーカーの設計者の方もよくわかっていることです。

それでも同一シャフトを同じチャートにしたりしてしまうのは、



・予算

・みんな、あまり気にしていない

・そこまでこだわらなくても良い



この3点です。

1W、3W、5W、7Wなどの番手別のシャフト重量と剛性分布を揃えるためには、番手別(長さ別)でカーボンシャフトを設計、販売しなければなりません。

そうすると、とても生産性が悪くなり、コストがかかるし、在庫管理も大変になります。

現状、1W用、FW用が分かれていれば良い方です。

また、長さ別設計がされてなくても、現状、クラブは売れるし、それをやったからと言って、それに見合う費用対効果も見込めない。

そもそも、そんな需要はあまり無いし、みんな気にしていない。

だから、現状のような形に落ち着いているということです。

物を作るということはどこまでこだわるか、需要はあるか、そこまでやって採算を取れるのか、などの問題は常にあると思います。



とてもクラブに詳しいプロは、1WとFWの重量フローと剛性フローは神経を使っています。

プロと言えどもクラブにあまり詳しくないケースは以外と多いので、すべてのプロがそうではありません。



1Wと同じシャフトを3Wに装着すると、シャフト重量は必ず3Wのほうが軽くなります。

単純にカット長が増えるためです。

剛性はチップカット次第で少しは改善しますが、剛性の高さばかり意識してチップカットが多すぎると、手元と先端の剛性差が少なくなり、弾き感が強くなって打ち出し角度が高くなりすぎる問題も発生します。

なので、そもそも、全体的な剛性が高い同シリーズの1ランク上のもので、最適なチップカットをすることが好ましいです。

最適なチップカットというものは、実際にカットし、剛性を計測してデータを蓄積することが必要です。

なので、これはとても大変な作業であり、計測する機材が必要なので、ゴルファーとしてはそんな面倒なことはしたくない所です。

ですが、本当に良いクラブセッティングにしたいのであれば、欠かせない部分です。

この部分は、メーカーがコストの問題でできない部分であり、かつ、改善の伸びしろ、効果が大きい部分ですから、町のクラフトマンの価値が大いに発揮される部分だと感じています。

大手のショップさんでは基本的にこういう取り組みやデータ蓄積はルール化していないと考えられます。

そういう意味でのショップの使い分けは非常に有効です。

調整をメインにしている工房ならそれがメインの仕事ですから都合の良いお客さんということにはならないと思います。

クラブ販売をメインにしている大手ショップなどの場合は、計測設備だけを利用しにきて安価な調整しかないお客さんは都合の良いお客さんなので、少し割り高でも、たまにはクラブを購入すると良いです。

私も説明の仕方が悪く誤解を招いたと反省しております。



質問者さんは、現状のショップ環境の問題を、とても良く把握していると思います。

それだけ真剣にうまくなりたいと思っていることが伝わってきます。

ただ、テープの件は言えばまずやってくれます。

もしくは白いビニールテープを持参したって良いでしょう。

ライ角調整も、たとえば、



・布をかぶせてやってくれる

・調整と計測の機材を分けている



というところを電話で探し、クラブを送付してやってもらうと良いでしょう。

(上記条件を満たした通販でやってくれるとても良いショップを知っていますがここで名前を出せません)



私も、質問者さんと同様に、ゴルフ業界、ショップの対応など、色々と問題があると思っています。

しかし、ゴルファーが賢くなって知識を増やせば、ショップの対応もメーカーの設計も変わると思っています。



メーカーの開発設計力はとんでもなく素晴らしいのですが、現実的な採算の問題もあるので、全てを素直に鵜呑みにすることはできません。

1W、FWのシャフト重量、剛性に関しては、競技に参加され、かつ、HC5まで到達されているのなら、色々な努力をしていると思います。

なかなか大きな変化も見込めない段階になってきていることでしょう。

なので、できることは、少しでもやってみる精神で、せっかくなのでこだわって欲しいと思います。





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