20180424

ゴルフも人生も no plan (;´Д`) : ジェームス・Y・バートレットのゴルフミステリー小説「死の14番ホール」

今回のゴルフ本はジェームス・Y・バートレットのゴルフミステリー小説「死の14番ホール」なんですが、
知ってる?知らんやろなぁ~?(溜息) マイナーすぎて、ほんま重箱の隅をつついてるような気がしてるわ。

何の因果か?ゴルフ本を専門に読んでいるとね、こういう誰も知らん本も読まないといけなくなる好例です。(笑)

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「死の14番ホール」
ジェームス・Y・バートレット(著)、西村 幸祐(訳) イーストプレス 1995年7月


<内容>
「灼熱のサウス・カロライナ・オープン。ツアー開催中に、将来を嘱望されたゴルファーが謎の死を遂げる。警察、市、ツアーの上層部がもみ消しをはかるなか、ボストン・ジャーナルのゴルフ記者、ピート・ハッカーは真相究明に乗り出した。
調査を続ける彼の前にゴルフ界の闇の部分が次々と暴かれてゆく。ドラッグを売買するキャディー、復讐をたくらむライバル、プロを追いかけるグルーピーの女、そして謎めいたクリスチャンの集会…やがて“犯人逮捕”の報せに、事件は収束へと向かう。
ひとり容疑者の動機に疑問を持ち、推理を続けるハッカー。―真犯人は別にいる。ゴルフという名の巨大なシステムがそれぞれの欲望と交錯するとき、疑惑のツアーはついに運命の最終日をむかえる。自身もゴルフ記者であった著者が描く、迫力のゴルフ・ミステリー。」

<著者/ジェームス・Y・バートレット>
「米ゴルフ記者協会に所属。10年以上にわたりゴルフ記者として活動、さまざまなゴルフ誌のほか、「エスクァイヤ」「フォーブス」などに執筆。その幅広い知識と経験によってゴルフ・ミステリーの第一人者として活躍。ジョージア州アトランタ在住。」






ワシは今までゴルフミステリー小説は何十冊も読んできて、2013 02.21「ゴルフミステリー小説のまとめ」でまとめを書いていますが、ゴルフミステリーではその後に読んだ河合莞爾のゴルフミステリー小説「救済のゲーム」が一番面白かったと思います。

それで、今回のゴルフミステリー小説はね、amaznoの中古本で見つけて1ヶ月前に手元に届いたんだけどね、なんとなくずっと手をつける気にならず1ヶ月間ずっとほったらかしにしていたゴルフ本なんです。

というのも買ってはみたものの、「死の14番ホール」でGoogle&Yahooで検索してもヒットしないほどマイナーな本であり、またミステリー小説は一気に読まないと面白くないため、約300ページのこの本になかなか手をつけることが出来なかったわけだ。

この「死の14番ホール」の原題は「Death Is a Two-Stroke Penalty (1992)」。直訳すれば「死は2ぺナルティー」ですが、どうも調べてみると、著者ジェームス・Y・バートレットはこのゴルフ記者ピート・ハッカーの「Death」シリーズを何冊か書いてるみたいですが、和訳はこの作品だけ。

このタイトルは具体的に言えば、14番のパー3の潮の千満で海水が上がってくる小川の上にかかっている木橋から落ちてゴルフカートの下敷きで死んでいたプロゴルファーを見て、主人公が気のきいた言葉を言おうとして、とっさに出た言葉「みんなの知らないルールさ。ハザードで死ぬのは2打のペナルティーだ。」からきています。

そして下の画像が主な登場人物紹介ですが、日本物と違い欧米の小説はカタカナで覚えにくい名前の外人が数多く登場しますので非常に人物が覚えにくい。途中まで進まんとなかなか名前と人物像が一致しないんだよな。それが欧米の小説の常ですな。

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まぁ今回、意を決して読み始めると、なんとか2晩で読めたけどね、
主人公は元プロゴルファーであるボストン・ジャーナルのゴルフ記者ハッカー。

取材で訪れていたキャノン・カロライナ・オープンのプロアマの日の朝、若手のプロゴルファーのであり「神のチーム」のメンバーであるジョン・ターンバルが14番の谷間にカートの下敷きになって死んでいるのを見つける。

そこからジョン・ターンバルの妻、彼の美人のグルーピー、ドラッグの密売人でもあったキャディ、そして最初の容疑者になるライバルのプロゴルファー、「神のチーム」を率いてツアーに同行する牧師などに、チャールストン警察の警部補・刑事などが絡み合ってくるわけだ。

しかしPGAや市長はこれを殺人事件として大会を中止したら莫大な損害が出るので、事故として何事もなく済ませて木曜からの試合は始まった。しかし警察とハッカーは水面下で犯人探しをする。そして犯人とのあの14番でクライマックスとなる。

この小説は、アメリカのゴルフトーナメントの裏側をゴルフ専門のライターとして紹介しつつ、殺人事件と喧騒の練習日やプロアマ、そしてガラッと雰囲気の変わる木曜からの予選のビリッとした空気など詳しく描いていますな。

アメリカで出版されたのが26年前、日本では23年前という昔なんで、このトーナメントの優勝者はトム・カイトでした。
そして主人公の記者が情報を引き出すために出した条件が「リー・トレビノとのディナー」なんで時代を感じさせますね。(笑)

え~ワシのこのゴルフ本の評価は★★ですな。(ダメは★、まあまあ★★、良かったら★★★)

from ゴルフも人生も no plan (;´Д`)