20141221

元ゴルフ研修生クラフトマンのゴルフ相談ブログ: ネック内のウエイト、クラブセッティングなどに関するご相談です

【質問】

「こんばんわ!タケです。



先日、三浦技研のアイアンで、1からカスタムしてみてはどうか。という提案を工房の方からされました。アイアンは、1本25000円。

ドライバーから、ウェッジまで、すべて、カスタムすれば、50万円はすると思います。もちろん、スパイン調整ならびに、ネック鉛もいれず、組んでくださるとのことでした。



今持っている、MP-4や、R-4ウェッジ、UT。あとは、ウッドを揃えれば完璧だと思っていたんですが、1から、組んだほうが、道具への不安がなくなるから、より、練習に身が入るといわれ、迷っています。ですが、迷ったところで、そんな大金を払えるわけでは、ありません。自分の中では、今あるクラブを大事に、倉木さんがこの前、言ってくださった、そのクラブのいいところをみつけ、伴侶のように、寄り添っていけ。今より、いいクラブがあると考えすぎてはいけません。という言葉を信じて、とにかく、大会で、好成績をあげるために、練習を頑張っていきたい気持ちなんですが。50万円のフルセットを使えたら、どんな球がうてるのか。という、変な好奇心が邪魔をして、迷っています。ゴルフは、ある程度、道具の貢献度もあると思いますが、あとは、腕次第ですよね?



悩みをふっきりたいです。」






【回答】

ネック内にウエイトを入れることはダメ、と言う主張は、私は納得できる説明を受けたことがありません。



・5Iで37インチ程度と短くする

・バランスをD7程度までアップさせたい

・カウンターバランスでグリップ側に30gのウエイトをつけた



このような極端なバランス調整をしない限り、ウエイトは上限4g程度あれば、大抵、十分です。

4gあればスイングバランス2ポイント分程度、調整できます。

短い番手では2ポイント変化しませんが。

ネックの中に10g程度のウエイトを入れると、少しは良くないかな、という感じです。(それでも、少しは、です)



「ネックの中にウエイトを入れると良くない」と言う工房は、その理由として、重心が狂う、と言うものが、最も多いように感じます。

たしかに、ネック内にウエイトを入れると、クラブの重心位置は変わります。

しかし、たとえ6gのウエイトを入れたとしても、重心位置は1mmも変わりません。

計算上もそうですし、アナログに実験してみても、そうです。

そして、アイアンヘッド、特に、いわゆる軟鉄鍛造アイアンの重心位置の誤差は、1mm以上あります。

(ちなみに、これは、ヘッドの重心距離ではなく、クラブ全体の重心の位置です)



1.軟鉄鍛造アイアンヘッドの重心位置の誤差は1mm以上ある

2.ネック内に6gのウエイトを入れても1mmも重心位置は変わらない



以上のことから、ネック内にウエイトを入れることは、8g程度であったとしても、特に問題はありません。

しかし、8gも入れることは無いでしょう。

繰り返しになりますが、4gもあれば、大抵の場合は事足ります。



「ネックの中にウエイトを入れると重心が狂うから、ヘッド重量が正確なメーカーの物で、極力、ウエイトを使わず、使ったとしてもバックフェースに貼るようにする」という作業は、無意味と言って良いでしょう。

ちなみに、トッププロのアイアンのネック内にもウエイトは入っています。



三浦技研のアイアンヘッド重量はとても正確です。

これは手間のかかる作業であり、生産性を落とすでしょう。

それでもやるとことに、こだわりを感じます。

しかしながら、鍛造したヘッドを人の手で研磨しますから、ヘッド形状、重心位置にバラつきが出ます。

研磨量が多いほど、バラつきがでます。

金型を自社で制作する会社の方が、重心位置に関しては、より正確なヘッドを作れるでしょう。

金型を自社で制作すると、汎用性を持たせること無く、モデル専用に作ることができ、完成品に限りなく近い物を作れますので、人の手による研磨量が減り、精度が上がります。

ヘッド重量よりも、ヘッド重心位置の方が大事です。

ー0〜2gの重量ばらつきよりも、重心位置が安定しているヘッドの方が本質的に高品質です。



ただし、三浦は契約店で制作すれば、ヘッド形状を好みにカスタマイズしてくれる、対応の良さがあります。

これは、ほとんどのメーカーではできませんから、大きなメリットと言えるでしょう。

好みの形状があり、それにどうしてもして欲しいなら、三浦のメリットを存分に活かせます。

研磨技術が高いからこそできる、とも言えます。



そういうこだわりに、1本、25000円をかけて制作できるかどうか、という話になります。

クラブ制作に置いて大事なことは他にもあります。

それは、



・長さをキチンと揃えること(どんな計測法なのか)

・ライ角、ロフト角が正確に仕上がること(絶対値そのものよりも、一定の条件のもと、フローするか)

・FP値が揃うこと

・グリップの向き、長さ、ねじれを無くす、肉厚を揃えること

・シャフトの剛性分布を全番手、同じ特性でフローさせること

・クラブ重量フローを考慮すること

・全番手のヘッド重心位置を考慮すること

・スイングバランスがキレイにフローすること

・グリップ重量を揃えること



などなど、基本的な、定量的なことです。

シャフトのスパイン、ネック内のウエイト、シャフトの曲がり、などと言うことは、上記のことに比べたら、小さなことです。

ですが、その小さなことまでやることに、数万円の価値を感じるのかどうか、ということになります。

スパインとは、結局、剛性を揃えることになりますから、全番手の剛性チェックをすれば、済むことです。

できるかぎり、数値が沢山でてくる工房で、クラブを制作すると良いです。

三浦だから、ネックに鉛を入れないから、スパイン調整するから、まっすぐのシャフトを使うから、で、なにか神がかったクラブになる、ということではありません。

数値化できることは、できるだけ数値化する、というスタンスで努力している工房であれば、ネックのウエイトは、6g程度使っても、特に問題と言わないでしょう。

なんせ、数値的にデメリットを説明できないのです。

フィーリングも変わりません。

そもそも、ホーゼル内でシャフトのしならない部分に入りますから、関係ありません。

当然のことを、丁寧に行い、数値化する努力をしていて、数値的な説明をしっかりしてくれる工房で制作することをオススメします。

かけるお金と仕上がるクラブのバランスを考慮するのであれば、他の方法があるように感じます。



まず、スイングのタイプをサイエンス・アイなどを活用して計測し、次に、合っているシャフト剛性タイプ、目指すスイングにマッチした剛性のタイプを決めて、それを考慮したヘッド重心とシャフト剛性を決めて、全番手、フローさせる。

組み上げの際、アイアンのロフト角、ライ角をシャフトの中心軸線を基準とした計測器で測定しながら調整し、グリップの向き、長さ、肉厚を揃え、スイングバランスを整え、同じシャフトのもの(アイアンセットなど)はグリップ重量を揃え、アイアンの長さとシャフトの長さが、フェアウェイウッドシャフトのチップカットなどがシャフト剛性に及ぼす影響などを考慮しながら組み上げる。

ざざっと書きましたが、そういうことをしていったほうが良いように感じます。

そういう対応の仕方をしている工房もありますから、雑誌などに掲載されているショップを頼りに、探してみてください。

シャフト特集のムックなどには、良い工房が紹介されていることが多いです。

特に、白黒のページなどのマニアックな特集記事などで紹介されている工房は、良いことが多いです。

ポイントは、数値的なことを沢山説明しているクラフトマンの方が良いでしょう。 

 

 

  from 元ゴルフ研修生クラフトマンのゴルフ相談ブログ