いいスコアで上がりたい
ナイスショットが打ちたい
フェアウェイに運びたい
ピンを狙いたい
上手く打ちたい
寄せたい
入れたい
パーがいい
バーディー取りたい
感情。
全部感情。
本性であり欲望であり
本能。
でも
人は感情に任せて生きていくことは不可能。
みんな
溢れる欲望を
必死でコントロールしながら生きている。
理性。
人は理性を覚えて繁栄した。
理性こそが唯一
溢れる感情を制御できる唯一の手段。
法律があるから犯罪を犯せない
というのは理性ではない。
法を恐れているだけのこと。
罪や罰が怖いだけのこと。
理性は違う。
法や規律に関係なく
溢れる感情を自分の力でコントロールすること。
バーディーを取りたいから
使えもしないクラブを選び
打てもしないライから狙う。
そんなプレーをしたらどうなるか?
どんな結果が待っているか?
そういう考え方が
理性だ。
理性とは判断力。
理性とは分析力。
ナイスショットを打って
調子に乗って浮かれる
ミスをして落ち込み引きずる
そんな感情をスーっと穏やかに消して
次にやるべきことに集中できる能力は
人間関係であれ
仕事であれ
恋愛であれ
とっても大切で必要な能力。
次のことを
その先のことを
今日より明日のことをちゃんと考えられる
判断力こそが
理性。
自分の実力を正しく把握し
できることとできないことを正しく理解し
できないことはやらない。
できるはずのことはしっかりやる。
そして
できないことは
一生懸命練習をしてできるように。
感情が悪いという話ではない。
人はただの動物の一種。
ただの動物。
基本は感情に支配されている。
この世に法律がなければ
倫理なんて概念がなければ
誰もが生き残るために
誰もが欲を満たすために
なんでもやる
なんて奴らが溢れる。
私は
ゴルフも同じだと思っている。
上手い人たちは皆
自分なりの法律や理性をちゃんと自分で作り上げて
その範囲内で一日18ホールを終える人達だと思っている。
やりたいことより
やるべきことを優先できる理性を持っている人が
上手い人だと思っている。
法や規律と違い
誰が決めたものでもない
誰かに押し付けられたものでもない
自分が体験し
何度も痛い目に遭い
悩み苦しんで
それは違う
あれも違う
だけど
これは譲らない
そういう
ひとつひとつを理性で正しく取捨選択し
大事なものだけを残していくことが
上達なんだろうと思う。
上手くなれない人達は
プレーを見ているとはっきりしている。
何度も同じことを繰り返し
それが次回の糧にならない。
足りない。
理性が。
そういうゴルファーを何人も見ていると
感情を上手に結果に繋げられる
優れた理性を持ち合わせたゴルファーが
上級者だと思わざるを得ない。
限られた時間
限られたお金
プロ達とは何もかもが違う。
仕事をしながら
家庭を守りながら
取引先に頭を下げながら
くそ暑い中汗を流しながら
今夜の夕飯に頭を悩ましながら
子供の送り迎えをしながら
上司の理不尽に耐えながら
駄目な部下に辟易しながら
お金のやり繰りに悩みながら
体調の良し悪しに苦しみながら
趣味のゴルフを頑張っているのが
アマチュア。
感情だけでは上手くなれない。
限られているものが
多ければ多いほど。
プロと大きく違う部分だ。
理性を。
理性を上手に使いながら
溢れる感情を上手にコントロールしよう。
ゴルフはメンタル。
感情で崩れるのはアマチュアだけじゃない。
プロだって感情に負けるときは
アマチュアにだって負ける。
技量では
経験では
実力では
はるかに上のはずなのに。
実力を発揮できない時は
ちゃんとそれなりの理由が必ずある。
その殆どは
メンタルだ。
マネジメントを駆使して
心に立つ波を上手に押さえ
穏やかに
楽しく。
スコアより同伴者との一日を大切に。
その中で
その中で
実力を正しく発揮しよう。
すぐに上手くなることはない
難しいスポーツだから
少しずつ
学ぼう。
初心者には
とても理解しにくい話かも知れないが
必ず
必ず来るから。
初心者のあなたにも
そんな時が必ず。
感情と理性。
結果を司る大きなファクターである
このふたつこそ
まさにメンタルそのもの。
誰も言わないけれど
私は思う。
人を負かすことに快感を覚えたいなら
ゴルフである必要はない。
優劣を付けることはとても大切。
上手くなるには
強くなるには欠かせないこと。
でも
それだけがゴルフじゃない。
結果以外のことを
「嗜むことができるスポーツ」だからこそ
「紳士・淑女のスポーツ」であること
初心者は
知っておいて欲しい。
from ゴルフ ~修羅の道~