◇6470yd(パー71)
こんなにも愛と希望に満ちあふれた引退をかつて知らない。レマン湖畔の
澄んだ空気に包まれたフランス・エビアンで、宮里藍が14年間のツアー
生活にピリオドを打った。

月曜日の練習ラウンドも、火曜日の公式会見も。練習場やパッティンググリーン
、駐車場の車の前でも。宮里の普段とまるで変わらない態度と笑顔に
触れるたび、何か大切なものを見落としていそうで不安になった。
最終日の18番グリーンでは、なんとゲーリー・プレーヤーが花束を持って
出迎えた。これほど誰からも愛されたプロゴルファーは世界を探しても
なかなかいない。思い浮かぶのは、アーノルド・パーマーくらいだ。

顔見知りの外国人女性記者は「ときどきしか会えなくても、彼女はいつも笑顔で
迎えてくれる。どの記者も特別扱いしたりしない」と目を細めた。
誰もが胸の中に自分だけの“藍ちゃん”を持っているようだった。
「すごくやりきった気持ちもあるし、いまは本当にさわやか」と、現役最後の
記者会見は晴れやかだった。年内は家族のサポートと休養が中心。
いま一番何をしたい?と問われると、「Stay Home!(家にいること)」と笑った
「ツアープロとしては引退だけど、プロを辞めるつもりはない。
もうツアーで宮里藍ちゃんの活躍が見られないのは、本当に残念ですね!!