20170513

◆絶滅危惧種のゴルフクラブ創ります: アイアンのセッティング①



ゴルフクラブの中でも
意外なほど おざなりにされてしまうのが
アイアン『セット』のセッティングです。
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現在は フェアウェイウッドやユーティリティの影響
アイアンのストロングロフト化の影響で
セットのスタートは 5番、もしくは6番アイアンに
なっています。




①ライ角度
アイアンの番手間は通常、半インチ 約1.25㌢ です。
通常 この番手間のライ角度は 1度 となっていますが
例えば 5番を 60度 に設定すると一般的なスペックでは
#6 61度  
ハミングバードスペック 60.5度
#7 62   
ハミングバードスペック 61.0
#8 63   
ハミングバードスペック 61.5
#9 64   
ハミングバードスペック 62.0
PW 65   
ハミングバードスペック 62.5
となり ウエッヂが65度と非常にアップライトです。
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ゴルフクラブは ライ角度とフェース角度の関係上
同じ「ライ角度」であっても ロフトが寝ている方が
フェースは左を向いていますので
大きなロフトほど左に行き易いですから
あまり アップライトなものは良くありません。
逆にウエッヂからすると ロフトの立ったクラブは
フラットですから 右に行き易いスペックです。

軟鉄鍛造…という事もあり
弊社のスペックは半インチ0.5度ライ角度差

PW.PS(AW).SW は
作られる方にもよりますが 1/16~1/8インチ差(長さ)で
ライ角度は 0.25度の変化を持たせています。


スナップショット 1 (2013-10-12 12-11)


②シャフトの硬さ
これは市販のクラブは酷いですねー。
軽量スチールだけでなく、グラファイトのモノも酷いです。
ライ角度の欄でも書きましたが、
シャフトの長さ変化による 硬さの変化は
短くなる程 数値は多くなります。 150➟155➟160

元々のシャフトの硬さやそのシャフトの性格などにも
よりますが、 振動数280cpm辺りですと
番手間の振動数差は 6~8cpm 位でしょう。

ところが 多くの市販セットは
短くなる程 急激に硬くなり(数値が多くなるものが多く)
また 番手間によっては 数値が隣の番手と
くっ付いているものも少なくありません。
フルショットで使う頻度の少ないウエッヂの方が
セットの中で『硬い』というのは使いやすい状態ではないですね。
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重量のあるスチールシャフトでも起こる製品誤差ですが、
軽量スチールシャフトだとそのバラツキはより激しいですね。

250cpm 位では 5~7cpm
220cpm 位では 4~6cpm
190cpm 位では 3~5cpm
160cpm 位では 2~4cpm


シャフトの硬さが落ちてくると(柔らかくなってくると)
1cpmの意味が大きくなってきますから
280cpmの時は 1フレックス(RシャフトとSRシャフト)
の差は 10cpm位ですが、
220cpmでは それは8cpm
160cpmでは それは6cpm
 と考えてよいでしょう。

柔らかいものほど微妙なセッティングが必要になります。


少なくとも セットのシャフトの硬さの流れが
ある一定範囲の中に無いと
ライ角度もロフトも角度も意味を成さず
上手く打てる番手や嫌いな番手
ロフト通り飛びにくい番手や
ロフト以上に飛んでしまう番手が出やすくなり
『セット』として失格になってしまいます。



残念ながら 市販のアイアンセットは
それがスチールシャフトであっても
その点においては ほぼ全品失格です。




③ロフト角度
余程のマッチョなゴルファー、酷いスイングでない限り
例外なく 番手の中で柔らかいシャフトが入っている
セッティング的に柔らかくなっちゃっている番手が
打ち易い番手で、飛ぶ番手です。
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アイアンの番手間の ロフトは3~4度 ですが、
これも『シャフトの硬さの流れ』がちゃんとしてないと
意味をもたなくなってしまいます。


見てくれやキャビティのデザインでなく
こういう所が セットのセッティングなのですが、
どう考えているのでしょうか…。

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