20180810

元ゴルフ研修生クラフトマンのゴルフ相談ブログ: アイアンシャフト選びのご相談です

【読者様からの質問】
「先日ウェッジのシャフトについて相談させて頂いた者です。
早速先生のアドバイスを元にリシャフトをしてもらい、直ぐに結果が出ており驚いているところです。ありがとうございました。

リシャフト後の感触があまりにま良いので、ここ暫く気になっていたアイアンシャフトについてもアドバイス頂きたくメール致しました。

ここ2年ほどアイアンシャフトにモーダス105Sを入れています。

振った時のしなり方、ラインの出し易さ、高低の打ち分けのし易さ等気に入っています。

ただ、重量が少し軽く感じており常に重いシャフトを振る意識で打たなければいけません。

毎回そういう意識で打つのは疲れますし、試合等の緊張した場面などではその事を忘れ打ち急ぎや手が先に出るミスが出てしまいます。

105の手元というか中程のしなり方がとても心地よく、できれば似たようなフィーリングのシャフトを教えていただけないでしょうか?

以前も記しましたが自分は

年齢42歳
身長168cm
体重70kg
ハンディキャップ2
4スタンスA1
テニス経験有り
練習週3回、ラウンド月6回

この様なスペックです。

以前ショップでおすすめを勧められ色々試してみました。
モーダス125Sは重すぎ、プロジェクトX LZ 5.5はしなりを感じない、N.S PRO 1050Sは先端が当たり負けする感じ、、どれもそれぞれ惜しい感じでした。。

シャフトのフレックスを含め何がおすすめでしょうか?
また、カーボンにも興味がありますので何かおすすめがあれば教えていただけないでしょうか。

先日から立て続けの質問で申し訳ありませんがよろしくお願い致します。」



【倉木真二の回答】
モーダス105の中間〜手元の曲げ剛性は実はNS950とほぼ同じで大きく違うのは先端の剛性です。
モーダス105は先端の剛性が非常に高いので相対的に弱い中〜手元にしなりを感じるようになります。
なので、中、手元の剛性の設計が優れているというよりも先端の高剛性が手元の程よいしなり感を生み出しています。
さらに曲げ剛性のカーブが粘り系ではなく中間が高い弾き系でありながら特に手元の剛性が低い元調子なので、全体のしなり幅は少なめな感触ながらも手元側のみが全体的に振動するようなしなり感になっています。

モーダス125はシャフト単体の重量はダイナミックゴールドS200とほぼ同じですがシャフトの重心位置がダイナミックゴールドよりも手元寄りのため同じスイングバランスに仕上げるとヘッド重量が重くなり、スイングした時の重量感(クラブ全体の慣性モーメント)が重くなります。大まかに言うとモーダス125とダイナミックゴールドS200で同じスイングバランスに仕上げるとモーダス125の方がヘッド重量が3g程度重くなります。
ヘッド重量が3g重くなると言うことはカット前のシャフト重量が10g重くなることと同等に慣性モーメントが上昇しますので(30kgcm2弱アップ)モーダス125でスイングバランスをD2に仕上げたクラブは大まかに言うとカット前重量138gのダイナミックゴールド(そのようなものはありませんが、あくまで例え)でD2に仕上げることと同じ重量感(慣性モーメント)になります。

モーダス125はやや手元の剛性が高めなのでモーダス105のような手元のしなり感は弱めです。
NS1050は手元のしなりでタメを作り先端のしなりでボールをつかまえる動きとお助け機能が多めなシャフトになっているのでシンプルな動きのモーダス105とは違います。(NS1050が悪いと言うことではなくモーダス105とは似ていないと言う事です)

カーボンシャフトは構造的に手元の剛性が上がりやすくなっています。
モーダス105のような手元が非常に軟らかく先端が硬い弾き系元調子はとても少ないです。
そのような剛性のアイアンカーボンを意識的に作っているのはアクラというメーカーですが、モーダス105よりも重量感を出したい場合、シャフト重量を上げることになり、カーボンの場合はシャフト重量が上がると特に手元の剛性が上がってしまうことと肉厚になりすぎてしなりそのものを感じにくくなってしまいますので、今回の目的には少し合いません。

モーダス105に重量感を出しつつ先端の高剛性感と手元の程よいしなり感が得られるシャフトはKBS CテーパーのSフレックス(120g)の番手ずらし(軟らかい方に1番手)と考えます。
モーダス105のシャフト曲げ剛性はシャフト中間部分の剛性が盛り上がるタイプで基本的には弾き系で先端が硬く手元が非常に軟らかい元調子です。
基本的に同じ系統のでありながらモーダス105に重量感を加えたCテーパー(弾き系元調子)が良いと考えます。

1番手軟らかい方へずらす意図は、そうすることでより手元の剛性が落ちてモーダス105のフィーリングに近づくためです。
Rフレックスにすると全体の剛性が下がってしまうのでモーダス105のフィーリングと離れます。
ただし、もちろんシャフトが違うのでモーダス105と完全に同じフィーリングにはなりません。
重量が大きいので基本的にCテーパーの方が粘り感が強くなります。
なので、粘りが強いと感じたらスイングバランスを下げる調整を行うと多少は改善します。
ちなみにカット後のシャフト重量はモーダス105SよりもCテーパーS1番手ずらしの方が10〜11g重くなります。
(KBSはモーダスよりも製品誤差が大きめなのでもう少し差が出る場合があります。KBSの精度が低いと言うよりもモーダスの精度が高すぎるのでどちらも問題ありません。ツアープロもKBSのその製造品質に不満を持っていませんし理論的に考えても有意な影響はありません)
 
 
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