20151221

ゴルフも人生も no plan (;´Д`) : 平石貴樹のゴルフミステリー小説「松谷警部と三ノ輪の鏡」

やっぱりバルセロナはやはり強いね。
え~と、18日・19日と飲み会が続いて腹の調子が悪いワシです。(笑)

懸案の仕事が終わり、心の余裕が出てきたので、停滞していたゴルフ本の書評の再開です。
次の目標である「ゴルフ本書評コーナー」600回を淡々と目指します。

まっその前に年末には恒例の平成27年度ゴルフ本の書評まとめも書く予定ですが。

そして春からのシーズンに向けてゴルフの練習も1月から再開しようと思ってますね。


え~今回も連続で珍しいゴルフミステリー小説です。(笑)
ほんまに技術的なゴルフ本は、あんまり読みたくないんだよねぇ。

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松谷警部と三ノ輪の鏡 (創元推理文庫)  平石 貴樹 (著)
東京創元社刊 2015年6月

<内容>
「元プロゴルファー横手祐介の殺害を震源に、ゴルフ場経営や融資に携わる関係者、過去の因縁でつきまとうジャーナリストなど、周辺に複数の死者や行方不明者がいると判明して事件は一挙に多層化、松谷警部らを翻弄する。巡査部長に昇進した白石もまた、不可解な状況を解明する決め手を見いだせないまま焦躁の時を過ごすが……。伏線また伏線、一読三嘆の本格ミステリ。『松谷警部と目黒の雨』『松谷警部と三鷹の石』に続く、充実のシリーズ第三作。解説=浦谷一弘」

<目次>
第一部 OUT
The 1st Hole  The 2nd Hole  The 3rd Hole  The 4th Hole The 5th Hole
The 6th Hole  The 7th Hole  The 8th Hole  The 9th Hole

第二部 IN
The 10th Hole  The 11th Hole The 12th Hole The 13th Hole  The 14th Hole
The 15th Hole The 16th Hole The 17th Hole  The 18th Hole

第三部 THE END OF THE GAME
Sudden-Death Playoff   The Winning Putt   Game Analysis   After the Game

<著者略歴/平石 貴樹>
「1948年函館市生まれ。東京大学、同大学大学院に学ぶ。83年「虹のカマクーラ」で第7回すばる文学賞受賞。著書に『笑ってジグソー、殺してパズル』『だれもがポオを愛していた』『フィリップ・マーロウよりも孤独』『スラム・ダンク・マーダー その他』『サロメの夢は血の夢』『スノーバウンド@札幌連続殺人』『松谷警部と目黒の雨』等がある。」




著者はアメリカ文学者・小説家であり、専攻はフォークナーで東京大学名誉教授・元日本アメリカ文学会会長とのことでお偉い学者さんみたいです。そして表紙イラストは、ミステリの表紙を数多く手がけている杉田比呂美さん。

で、この本は「松谷警部と目黒の雨」「松谷警部と三鷹の石」に続く、白石イアイシリーズ第3弾らしいですが、当然のことながらミステリに素人のワシは初めて作者の本を読みました。

ただ、先日の河合莞爾のゴルフミステリ小説「救済のゲーム」 もそうだったが、「この本の書評も多くて、少し期待を持って読み始めました。

このシリーズは、警視庁の松谷健介警部と、その部下の女性の巡査(今回では巡査部長に出世)白石以愛を探偵役に据えたシリーズで、第1弾がアメフト、第2弾がカーリング、そしてこの第3弾がゴルフがテーマになっています。

え~この小説は、元プロゴルファー、ゴルフ場経営者、美人で将来有望な美人ゴルファーの娘、ゴルフ場、凶器はパターなどゴルフにまつわる登場人物や舞台の事件なんで、まさしくゴルフミステリー小説っても過言ではないと思いますね。

だから目次を確認すると、ゴルフ物にはよくある18ホール(18章)で構成され、第3部のTHE END OF THE GAMEに続いていましたね。

そして帯には「よく聞いてくださいね。複雑な真相ですから。」「つまり全部伏線だったのか!」という文字。

ただ、これは伏線が非常に絡み合った本格的なミステリだと思いますが、単なる謎解きのミステリーとは違い、登場人物の人物模様を深く詳しく描いて成り立った推理小説なんで、ワシのようなゴルフ本専門の読み手から見ると、少し本格的過ぎて読後感が少し良くないね。

本当に伏線が多くちりばめられてすぎて、推理をする女性巡査部長のイアイの魅力が充分に描き切れていないような気がしたんだな。ワシはエンタメ小説は好きなんで、この本のような緻密なストーリーより、単純にスカッとする痛快さが欲しかったな。

つまり、この本はミステリ本流の謎解き推理の方がメインなんで、ミステリーファンじゃないワシには329ページわたる構成と伏線に感心はすれども、面白さいう点では今ひとつでした。

ワシには河合莞爾さんの「救済のゲーム」の方が好みでしたな。

え~ワシのこのゴルフ本の評価は★★★です。(満点は★五つ)

from ゴルフも人生も no plan (;´Д`)