先週開催された女子のステップアップツアーは、衛星中継されていましたが、解説は岡本綾子プロでした。岡本プロの解説は、スイングに関することあり、経験談あり、アメリカの話あり、ということで、やはりトッププロとしての豊富な経験から出る話なので、非常に興味深い話が多いものです。また、男子だと、田中プロ、と言っても解説している人は二人いますが、秀道プロの方の話は、とても率直で、自分が知っている範囲のことを、自分をやや卑下して語るところが、人気のあるところだろうと思います。
先週のステップの試合での岡本プロのお話しにも、多くの興味深いお話しがありました。例えば、岡本プロがプロテストを受けた時代は、人数ではなく、スコアで合否が決まった時代で、当時は82以下なら合格だったそうです。それは、今プロテストを受けている皆さんからすれば、ファイナルまで行った人で言えば、今年の場合、ファイナルに出場した115人の初日の最下位が81だったので、当時の基準なら全員合格、ということになるので、なんともうらやましい時代と言えるでしょう。それくらいの基準なら、運動神経が良い人なら、1〜3年必死でやれば、合格できそうです。しかし、最近の現実は、今年の場合、4日間で+1は18位タイまでが合格でした。そうやって、大変な試験を合格しても、ツアーでシード選手になれるのは、日本人でたったの30数人なので、仮に活躍できる年代が10年くらいに絞ったとしても、年間にたったの2−3人くらいしか、ツアーで戦っていける選手にはなれない、ということになります。そして、それは大体実際にそんな感じです。
さて、岡本プロの場合は、そのプロテストで79が出て合格し、その年の新人戦では4位に入ったそうです。岡本プロは、ツアーで戦うために中古の車を親から借金して買ったそうですが、新人戦では10万円の賞金をもらい、それは、その後の軍資金にあてたということです。そして、プロとして初めて出場した試合が女子プロ選手権で、予選の二日は80,80でなんとか予選を通過でき、三日目に71が出て12位に入り、賞金の22万円をゲット、1975年のことなので、この時岡本プロは、プロでお金を稼げることを感じ、こりゃ頑張らねば、と思って必死で練習したそうです。とにかく、誰それがあれだけやっているから、自分はもっとやる、とかではなく、他人がどうであろうが自分はこれだけやる、という感じでやったということです。そんなふうに、他人を比べてどうのこうのではなく、自分の考えで必要な練習をした、ということが、そして、筋肉が柔らかい20代に大量の練習をしたことが、上達に繋がったということです。
一般の方でもそうですが、どんどん上手くなっていく人というのは、朝から晩まで練習しまくっていることが多いものです。それが苦にならないし、それでも全く足りないと感じているものです。ただ、それができる経済力と時間というのものが、一般の社会人の場合は必要なので、どうしても職種が限られ、クラチャンとか、そういう試合で頑張っている人というのは、学生からやっていたか、そうでなければ大体似たような境遇の人が多いように思います。
ベン・ホーガンは、バッグの中の全てのクラブを練習するには、日が昇ってから日が沈むまでの時間では足りない、と言いました。それくらい練習した時期があったということです。きっと、岡本プロも、それくらいは練習したのでしょう。
そんなふうに、飛躍する人というのは、そういうことがあるようなので、それくらい打ち込めることは、上達できる証とは言えますが、一般の皆さんは、そんなに時間もコストもかけられないのが普通なので、少しでも無駄な練習は省きたいのが人情です。だから、今日もレッスン公開で、効率よく練習できるヒントをゲットしてくださいね・・・
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