9 7年から着手したタイガーのスイング改造は、2年後にはコックを導入し、ウッドではトップでコックを使ったスイングになっていましたが、アイアンのダウンでは、まだノーコック時代のスイングでした。元々はコックを使ってタメのあるスイングだったタイガーにしても、一度ノーコックの感覚を覚えると、元に戻すのが困難であることからも、コックを使ったスイングを覚えるのは、大変であることがわかりますね。その後のタイガーは、コックと共にトップでのクロスを修正し、2001〜2年くらいはまだ少しクロスしていたのですが、2003年頃にはクロスしないトップに改造できていました。
昔、石川選手とのエキシビジョンマッチで、石川選手がタイガーにトップでのクロスを直したことについて質問していました。石川選手もトップでクロスし、ダウンでクラブが下から入る傾向があり、それを直したいと石川選手は考えていたのでしょう。しかし、その時のタイガーは、直さなくてもいい、みたいなニュアンスの答えだったように記憶しています。簡単に言えば、どうやって直したのかは教えてくれなかったわけです。そんなふうに、アメリカ人って結構親切そうでいて、大切なことは決して口を割らない、という習性があるので、アメリカ人と付きあう場合は注意が必要です。奴らは決して重要なことを教えてはくれません。
一般の皆さんは、プロはプロ同士で情報交換して切磋琢磨しているように感じるかもしれません。しかし、現実には、プロというのは重要なことを決して人には言いません。もちろん、プロ仲間に言うわけはありません。それは企業秘密みたいなもので、重要な部分は、言うにしても、3重くらいのオブラートに包んで言う場合がある、っていう感じで、普通、仮に教えるにしても、非常に遠回しに教えるものです。
例えば、プロが研修生に教えるか?というと、もちろんプロにもよるでしょうが、基本的にはヒントを言う程度にしか教えないのが普通だろうと思います。そういうヒントを鍵に頑張れるような人間でないと、到底プロとしては通用しないからです。
話がそれてしまいましたが、タイガーはスイング改造にあたり、サム・スニードを参考にしたというようなことを、昔言ってました。サム・スニードと言えば、52歳での最年長優勝記録や71歳でコースレコードの60を出したり、最多優勝回数記録を持っていたりということで、ツアープロとして長くツアーで活躍した選手として有名です。タイガーは、今後そう簡単に破られることのない記録を残したかったでしょうから、それにはツアーで長く活躍する必要があったので、スニードのスイングを参考にしたというのは、非常に納得のいくところです。そんなスニードのトップは、どんなトップだったかというと・・・


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