まぁ、どちらにせよビンボーなんで、小物類ですが。(笑)
現在、年末恒例の今年のスコア分析まとめや書評のまとめなんかをボチボチまとめながら、
まだまだゴルフ本も読んでますが、ネタ切れ対策として、出し惜しみで今回の書評を今年最後にします。(笑)

「ゴルフが消える日 - 至高のスポーツは「贅沢」「接待」から脱却できるか」
赤坂 厚 (著) 中央公論新社 2017年4月
<内容>
ゴルフ復権のカギは「五輪」と「あなた」だ
「ゴルフ人口の減少が止まらない。少子高齢化やライフスタイルの変化により、日本において、この20年でゴルファー数は40%以上減少(総務省「生活基本調査」より)、92年に約2兆円あったゴルフ場やゴルフ用品などの市場規模も13年には9000億円まで半減した。ナイキなどの人気メーカー撤退、男子プロゴルフ試合数・ギャラリー数減少、外資によるゴルフ場買収、さらにはオリンピック会場問題が報じられるなど、その見通しは暗い。そこで「このままでは日本のゴルフが消えかねない」と警鐘を鳴らすスポーツライター赤坂氏が「東洋経済オンライン」での連載をもとに、現状のレポートと提言をまとめて緊急出版。日本にゴルフ場ができて1世紀。ゴルフがオリンピックの正式種目となった今が、復権のラストチャンスだ! 」
<目次>
1章 2020年、日本からゴルフが消える
ゴルフが最強の「コミュニケーションツール」だった時代/ゴルファーの半数は「50歳以上」/データで見る「消滅の危機」/多すぎる「ゴルフ場」/新規ゴルファー参入を妨げる「負のイメージ」/待ち受ける「2020年問題」を越えられるか
2章 ゴルフとの距離を遠くしたもの
新規ゴルファーに高すぎた「ハードル」/「クラブ」だけでこれだけ必要/かかりすぎる「時間」/立ちふさがる難解な「ルール」/委縮させる「エチケット」と「マナー」/ゴルフに「お金」を使えない若者たち/「クルマ離れ」とゴルフ離れ
3章 「プロ」たちの現実
女子ツアーで「2億円大会」が誕生するも/盛り上がりに欠ける男子ツアー/「プロ」のつらすぎる日々/賞金額と実収入の関係/ゴルフは副業の割合が大きいスポーツ/興行としてのゴルフは「失格」/視聴率の低迷とネット中継の登場/プロゴルファーとは「サービス業」である/日本ツアーはアメリカツアーに飲み込まれるのか/あふれすぎた「技術」とレッスンの「ハードル」
4章 消え始めた「ゴルフ場」
消えていくゴルフ場/ゴルフ場で発電?/日本のゴルフ場を狙う外資/値下がりを続けるプレー費と管理の実態/「ゴルフ会員権」相場は今/「必要」だから会員権を買う時代へ/シニアとジュニアの間に横たわる空白/「負担」はどうやって減らせるか/進化したシミュレーションゴルフ/ゴルフ場利用税「堅持派」と「廃止派」の対立/「仕事」から「社会貢献」の場へ
5章 復権のカギは「若い世代」にあり
スター登場でゴルファー減少が止まった/ジュニアゴルファーはどれくらいいるのか/ジュニアゴルファーを支える過酷な事情/多様化する学びの場/新スター、畑岡奈紗の登場/学校とゴルフの両立はできるか/大学のゴルフ授業は盛況だが/動き出したゴルフ授業対策
最終章 ゴルフ、始めましょうか
「時代」に合わせて変わらないもの・変えるもの/「ルール」だって変わっていい/「18ホール」なくてもいい/仕事とゴルフの好ましい関係/ダイバーシティの先に見える可能性/再発見すべき「アクティビティ」としてのゴルフ/再発見すべき「ゴルフ場」の価値/そして五輪競技としてのゴルフ/まとまるべきは今/五輪競技に求められるもの/だから今こそゴルフを始めませんか など
<著者/赤坂厚>
「1959年、北海道生まれ。スポーツライター。1982年日刊スポーツ新聞社に入社し、同年からゴルフを担当。AON(青木、尾崎、中嶋常)、岡本綾子らの全盛期に国内外ツアーなどを取材。カルガリー冬季五輪、プロ野球(巨人)、バルセロナ五輪、大相撲を担当後、社会部でオウム事件などを取材。文化社会部、スポーツ部、東北支社でデスクを務め、12年に同新聞社を退社。現在フリー。日本ゴルフジャーナリスト会員。東洋経済オンラインにて「ゴルフとおカネの切っても切れない関係」を連載。」
この本は東洋経済オンラインに1014年11月から連載「ゴルフとおカネの切っても切れない関係」をベースに加筆修正したもので、著者のゴルフジャーナリストが「日本のゴルフの危機」についてデータを示しながら説いたものです。
2015年の「レジャー白書」によれば、日本のゴルフ人口は720万人。
最盛期の1994年には団塊の世代を中心に1200万人。20年で約500万人がゴルフから離れたわけ。
そして市場規模も92年の2兆円から13年は9000億円まで半減、客単価も70%になって、
16年ナイキがゴルフ事業から撤退、そして男子ツアーの減少、食えないティーチングプロなどなど・・・
本当にゴルフ業界はゴルファーの激減、ゴルフ場・ゴルフ練習場の減少、ゴルフ用品産業の業績悪化など先行きが暗いわけ。普通これくらい業績が悪化すると会社だと危ないです。(笑)
1970年代後半から90年代までは景気がよく、企業にはゴルフに使うような余剰資金があったし、余暇に使う小遣いもあり、「仕事としてゴルフをする」という利用法もあった。しかし企業の接待交際費削減により接待ゴルフが減少し、会社主催の豪華なコンペも少なくなった。
ただゴルファー人口は依然としてアメリカに次いで世界で2番目(ゴルフ場数は世界3番)ではあるのですが、日本では「ゴルフをするには非常にお金と時間が掛かりすぎる」わけです。
日本ではクラブや道具にウェア、そしてコースに行くための自動車、そして1日がかりという時間がかかり、未だに贅沢な遊びとしてゴルフ利用税が依然ととして徴収され続けている現実もあります。
で、最大の問題は、かつて「2015年問題」と呼ばれたのですが、団塊の世代(1947~49年生まれ)が2015年に65歳を迎えることだった。しかし、あまりそんなに大打撃はなかったため、その世代が70歳を迎える「2020年問題」と後期高齢者75歳を迎える「2025年問題」が危機として叫ばれているわけです。
ワシもかつてこのブログで、「手首痛と「ゴルフ2015年問題から2025年問題へ」 や、
「巷ではゴルフ2015年問題や2025年問題と言われるが、むしろ問題は2020年だな。」 で書いてきたけど、
終戦後の1947~1949年(昭和22年から24年)第一次ベビーブームに生まれ、いまやゴルフ人口の中心層であり約800万人もいる「団塊の世代」が70歳になるのが2020年。
そして2025年は、、団塊世代が後期高齢者(75歳以上)に達して、ゴルフだけでなく、介護などの社会保障の財源問題にもとどまらず日本の社会経済構造に大きな変化をもたらすとの大問題が起こると予測されているわけです。
少子高齢化で、現在でさえ、平日のゴルフ場や練習場はシニアのオッサンばかり。そのオジサン達がゴルフをしなくなると?
で、その団塊の世代の次に多い世代が、その世代の子供である団塊ジュニア(1971年~1974年生)ですが、親の介護も出てきて、かと言って、次代を担う現在の20~30代は「クルマ離れに、ゴルフ離れ」とこだわりがなくなり、無駄なお金を使わない人種。
ただ2020年は東京オリンピックのゴルフ競技で、松山英樹と石川遼が28歳という一番油乗った時期になり、彼らの健闘次第ではまたゴルフブームが再燃し、少し衰退化が遅くなる可能性はあるけどね。ただ所詮ジリ貧。
それにしても、普通のサラリーマンは家のローンに子供の学費などを考えればドライバーが8万円!?なんて払えるわけもなく、日本のゴルフクラブ価格は依然として高いね。


確かに以前に比べればクラブも中古ショップ&オークションで安くなり、プレー費も安くなったし、それに、日本の「良い物は高い」という意識もわかるけどね、たぶんクラブメーカーが広告費を掛けすぎなんだろうね。(笑)
え~感想として、この本はこの日本のゴルフの危機を、人口・消費・文化・社会構造など色々なデータから問題提起して説明しているのでまずまずかな?
まぁ確かに既存の情報を集めただけのような気もするが、データ等を探したり見直したりする場合に少し便利な気がします。(笑)
え~ワシのこのゴルフ本の評価は★★です。(★3が満点)
from ゴルフも人生も no plan (;´Д`)