20170628

ModernSwing21: 石川選手の低迷の原因は?


Question

石川遼選手は長いスランプのようですが
何が原因だとお考えでしょうか?
インタビューの本人の解説も良く分からず
本人自身も分かっていないようなコメントでした。


Answer

私のような者がお答えすると炎上するかも知れませんが
まず、彼は天才級だと私は思っています。

スイングスタイルは我流にしてはトップクラスのきれいな動きで
タイガー打法の見た目はほぼクリアしています。

もちろん、蹴りなどを入れるだけでも
あと20~30Yは軽く伸ばせますし、取り入れるにも
全く問題なく消化吸収してすぐに自分の物にする
才能がある選手だと思っています。

彼が今迷路に入ってる原因は何かというと
全ては基礎的な事にあると考えています。
私が考えている大きな原因は三つです。

まずワンスイングになっていない事、それから
アライメントが時々くるって、そのまま打つので芯を外す事、
そして時々テンポが速くなったり、力が入ったりすることです。

これを感性派の人達はメンタルだとか、自分を失っているとか
PGA病だとかで片付けようとしていますが、実はメカニズムで
簡単に治せる事だと私は思っています。

この三つによってティーショットでまず曲げてしまい
芯を外して曲げたり引っ掛けたりすることが多く、
まずはこれらを修正すれば見違えるようになるはずです。

ワンスイングになっていないため、DRが当たっている時にはアイアンがダメ、
アイアンが当たっている時にはDRが当たらないという現象が起きます。
これは本人のコメントにもありました。

ただ、この症状は周期的に良くなったりするので
なかなか改善する気になれないという厄介なものなのです。

飛距離を出す技術は置いておいて、この基礎をしっかりと
身に着けてプレーすれば、単純なミスやもったいないトラブルが減るでしょう。

ティーショットのミスはパターが入らなくなったり、アプローチに身が
入らなくなったりで、毎日のようにスイングをいじってしまって
どんどん迷路に落ち込んで行く原因となっています。

あまりにも器用で才能があるがために、番手の違うクラブを持っても
当たってしまうのです。
それぞれの番手で違う軌道で打っているので、それぞれの軌道を
ほぼ覚えていられるのです。

ところが、一種類にすれば、もっとミスが少なくなり完成度も上がり
イメージ通りの球が打てるのに、わざわざ番手ごとに違う打ち方をして
相当な遠回りをしてしまっているのが最大の原因だと思っています。

スイングは縦と横のバランスとタイミングです。
軌道が一種類なら楽なのですが、各番手ごとに違う軌道で
打っているがために、芯を外すというミスが生じるのです
また、アライメントのくるいも同様に芯を外します。

そして、スイング速度や力加減が変わってタイミングがくるうと
芯には当たるのですがプッシュしたり引っ掛けたりするのです。

同じ番手で連続で1000球打って、1000球同じところに
恐らく彼は打てると思います。
今でもです。

ところが、一球ずつ持ち替えて打ったら、恐らく100回持ち替えたら
持ち替えてすぐの球は数発は芯を外す可能性があります。

これはプロにとっては大きな問題です。
松山選手やジョーダン・スピースなどは
ワンスイングになっているがために、ミスが少ない方なので
予選通過の数もずっと多いと考えられます。

最終的には再現性なのですが、10種類の軌道をマスターするのと
1種類の軌道を体が覚えるのでは、当然シンプルな方が10倍早く
しかも、ミスが10分の1になるという事なのです。

ショットが当たっていないと二打目やパターに気が回らず
ついついバカな事をしてしまったり、いい加減になってしまいがちです。
まずはティーショットのDRを安定させることで現状が打開できるはずです。

日本で育ったプロには足かせがあります。
鎖国状態だったり、上下関係で自由にできないなど
上達を妨げている考え方が長年続いているのです。

せっかくアメリカに居ながら、その枠から出られずに
有能なコーチに耳を傾けようとしませんが
今は藍ちゃんと同じ転落人生を歩んでいるとしか見えません。

一日も早く改善に着手し、手遅れになる前に
このスランプを乗り越えてもらいたいと祈っています。




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