【質問】
「倉木様
いつもブログを拝見して勉強させていただいております。そして10周年、おめでとうございます。
さて、今回はユーティリティシャフトについて相談させてください。
現在アイアンはPINGのG25(CFSシャフトのSフレックス)を5番アイアンまで使用しています。5番アイアンの上は、5番ウッド(シャフトはPROJECT X5.5・重量55グラム+58グラムの重めグリップ)です。
5番アイアン(ロフト26度・飛距離170ヤード~175ヤード)と5番ウッド(ロフト19度・飛距離210ヤード)の間を埋めたいのですが、1本入れるとするとロフト22~23度程度のユーティリティになりますでしょうか?
その場合、シャフト重量はどの程度が理想なのでしょうか?
一般的に販売されているユーティリティのシャフトは重め・硬めのものでも80~85グラムですが、これくらいの重さはどうなのでしょうか?アイアンの重さからだいぶかけ離れてしまいそうです。逆にアイアンと同じようなスチールシャフトにした場合、今度は5番ウッドが一気に軽くなってしまう気もしております。
アドバイスを頂戴できれば幸いです。よろしくお願いいたします。
(ドライバーヘッドスピード 約47 男性 35歳)」
【回答】
ゴルフクラブの重量フローは総重量を綺麗に並べれば揃います。
ですが、本当に大切なのは振った時の重さ感なども合わせることです。
例1) 40インチ ヘッド230g シャフト70g グリップ50g 総重量350g
例2) 40インチ ヘッド130 シャフト170g グリップ50g 総重量350g
例3) 40インチ ヘッド130 シャフト70g グリップ150g 総重量350g
上の3つの例は全て総重量350gですが最も重く感じるのは1、次に2、最後に3です。
つまり、どのパーツが何グラムか、という点に注目しなければなりません。
それを見るのがスイングバランス(D1とか2とかいうアレです)であり、クラブ慣性モーメントと言われるものです。
つまり
・総重量
・スイングバランス
・クラブ慣性モーメント
この3点を「ある程度」バランスさせることで振った時の感じが揃います。
どれか一つを極端に求めると他の要素が合わなくなるので折り合いをつけてトータルでバランスを取るのが好ましいです。
例えば、重量フローだけに注目すればクラブ慣性モーメントやスイングバランスが合いませんし、クラブ慣性モーメントを揃えることに執着すると長さやスイングバランスが揃いません。
最近はスイングバランス悪玉論が増えてきていますがシャフトの振動数などへの影響なども考えるとそれほど悪いものではありません。
全体のバランスが大事で、それぞれをほどほどに折り合いつけて考えることが今の状況では妥当と考えます。
1本入れるとすると19〜25度程度のユーティリティーになります。
目的に合わせて選択すると良いです。
ヘッドスピードを上げて高弾道にしたいなら軽めのカーボンで長めにする、安定感を重視するならアイアンと同じシャフトでも構いません。
80g台のカーボンでもヘッド重量の割にクラブが長めならば振り心地は揃ってくるので問題ありません。
例1)ユーティリティー 長さ40インチ ヘッド240g シャフト80g グリップ50g
アイアン 長さ38インチ ヘッド257g シャフト110g グリップ50g
例2)ユーティリティー 長さ39インチ ヘッド240g シャフト80g グリップ50g
アイアン 長さ38インチ ヘッド257g シャフト110g グリップ50g
例3)ユーティリティー 長さ39インチ ヘッド240g シャフト110g グリップ50g
アイアン 長さ38インチ ヘッド257g シャフト110g グリップ50g
上記の例で言えば1と3はOK、2はNG、ということになります。
(2はアイアンの流れを考慮すると長さの割にヘッド重量とシャフトが軽いため)
from 元ゴルフ研修生クラフトマンのゴルフ相談ブログ