20160702

◆絶滅危惧種のゴルフクラブ創ります: 昨今のゴルフクラブ◇フェアウェイウッド


まず 現在流通しているフェアウェイウッドの話で
知っておいて頂きたいところが一つ

そうですね 10年以上前は番ウッド…というのがありましたが
いつのまにか消えてしまい
従来だと
 #3-15度 #4-18 #5-21 #7-24
こんな番手(ロフト)構成だったものが
➡ #3-15 #5-18 #7-21 #9-24
このような構成に変わってしまい、
既に定着してしまっています。

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平成に入ってルールの縛りなんかも増え
ゴルフクラブの販売総数が転がり落ちるように低下しています。
フェアウェイウッドの話…ではないかも ですが
よって マイナーなゴルフクラブ
例えば女性用のクラブなんかが余計悲惨な状態に…
 なってきています。
従来は女性用ドライバーというと
 ロフトは13度から16度位でした。
ご想像通り 男性用の平均的に流通するロフトに比べると
販売量は 10分の1 以下になるのですが、
製作側として かかるコストはほぼ同じ です。
そんなこんなで 女性用のロフト というのが消滅し
シニア兼用のロフトで 表示だけ「ぼかし」て
販売するようになっています。
ロフト数値表示がなく HT(ハイトラジェクトリーの略)
という具合です。
その中身は ロフト12度 ですから
正直 女性にとってはかなりシビアで
男性にとっての
「9度位」に相当します。

かなりキツイです。
作る側や買ってあげるお父さんの側が
すっかり忘れてしまっているのが
女性用のドライバーは男性のそれに比べると
クラブ(シャフト)が短い ということです。
1インチ程度でヘッドスピードに差はありませんが
ボールを浮かせるためのスピンや打ち出し角度には
1インチでも影響が少なくないのです。
ですので 例えば 同じような弾道、距離を想定した時
 45インチで10度のドライバーを使っている人は
 44インチになったら11度 のような具合なのですから
短い長さで12度のドライバーを使わされている女性に
とっては かなり浮力を得にくいクラブ ということに
なります。

想像してみて下さい。 43インチという長さは 
男性用の長めの3番ウッドに相当します。
12度のロフトの3番ウッド…
男性が使って ティーアップして打っても
高すぎる・・・なんてことにはなり難いです。  
それを女性が使うのです。
女性のヘッドスピードは25~30㎳が平均値です。
ものすごくシンドイものだと思います。

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話はフェアウェイウッドに戻ります。
ドライバーやパター、ウエッヂに比べ
FWは特出して売れないゴルフクラブです。
コースでの使用頻度などを考えると頷けるところですが
ゴルフクラブ全体が売れなくなってきて
それは余計顕著になって来ています。
そこに来て ユーティリティクラブの存在もありますから
女性用のドライバーと同じよう存在で
ドライバーの機種のおまけ程度の扱いになっています。

それでなくとも 強烈軽いヘッド、硬いシャフトが
主流の昨今です。
FWはドライバーに比べ、当然ヘッドも小振りですから
重心距離も短く、重心深度も浅い
余計 ヘッドが軽く、シャフトが硬く(感じる)なるのです。
負のスパイラルですが、
ヘッドが軽く、シャフトが堅いクラブで
遠くに飛ばそうとすると ヘッドを速く
 たくさん動かさなくてはなりませんし
ティーアップせず 地面から使うクラブですので
軽く硬いという組み合わせは
ヘッドを下に振らなくてはならなくなります。
ゴルフスイングのメカニズムは ヘッドを下に振れば
振った分、体は上を向いてしまうので
アイアンに比べると奥行き(重心深度)のあるFWは
ダフッたり、トップ、チョロを連発しやすくなります。


上手く打てなければ多くの人は興味を示しませんから
余計売れない~余計おざなりに作られる
という負のスパイラルから抜け出せません。
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フェアウェイウッドはシャフトの柔らかさは
非常に重要で、地面に振れず、ボールだけを
さらっていくようなセッティングにするのには
ドライバーと比べ 長さ相当よりも
やや硬さの数値を落としてあげる 位の方が
使い勝手は良いものです。

大量生産される 特に売れないFWは…
そう言う「セッティング」なんてものには縁がなく
単に組み立てられているだけ…という運命が待っています。
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