20170531
ModernSwing21: クラブを替えるとスコアアップする?!
Question
現在ゴルフを初めて2年ほどになる24歳です。
アイアンを父からもらったミズノのmp29というものを使用しています。
先日、職場の上司とコースを回っていたところ、
アイアンを変えればもっとスコアが良くなると言われました。
(現在使っているクラブは初級者向けではないと言われた)
私はベスト95でゴルフはコースに2ヶ月に1度回っている程度です。
このアイアン以外で練習したことがないので
自分にアイアンが合っているかなどは分からないですが
使っていて嫌な感じはしません。
最近のモデルに変えると飛距離が伸びるなどの効果は
どの程度でるものなんでしょうか?
Answer
このクラブはマッスルバック(MB)と分類される
一枚板のアイアンです。
その昔はフォージトと呼ばれ、これは製作過程の鋳造という意味なので
現在はほとんど使わなくなっています。
(MB)
その昔はこれしかありませんでした。
40年前ほどにキャビティー(CB)というくり抜きのアイアンが出て
スイートスポットが広く、フェイス自体も大きくなりました。
これは型に流したり、くり抜いたりして作られた物で、
これも作り方で付けられた名前です。
(CB)
これはmm単位ですが、芯を外しても、距離の誤差が
MBに比べて少ないということで、一時期プロも使ったのですが
やはり、バックスピンも掛からないので、PING(社名)が作った
スクエアグルーヴ(四角い溝)のアイアンが残ったのですが
これはダウンブローに打たなくても止まり易いということで
技術の比較にならないとして後に禁止になりました。
フェイスの溝はVでなければならないのです。
Uや四角では球の表面にめり込んで、削りながらスピンが掛かるため、
一度アイアンで打っただけで、球の表面が傷だらけでボロボロになったのです。
しかし、それ以外のCBはプロは使いませんでした。
プロはダウンブローに打つ練習をしていますので、その技術の差が
スコアに反映されるために、よりスピンを掛けることで優劣が決まるのです。
CBはフェイスの周りや特に底辺を重くして重心を下げ
スイートスポットを広くしたのですが、その反面、球をつぶすパワーが分散され
重量が減って球が充分につぶれないのです。
ただ、この形状でもmm単位ですので、初心者が芯を外す時はcm単位になるため
あまりメリットがないかも知れません。
ただ、いつもcm単位で外しているのではないので、3mmほど外した場合には
恐らくMBでは10Y短かったのが、CBだと7Yほどで済むという程度の話です。
ただ、芯に当たればMBが一番飛びます。
易しいクラブとはこの微妙なスイートスポットの広さをいう事と
もう一つはシャフトの柔らかさも関係しています。
昔はカーボンはありませんでしたので、鉄のDG(ダイナミックゴールド)しかなく
全員が同じシャフトのアイアンを使っていました。
しかし30数年前辺りからカーボンシャフトが出回り
アイアンにまでカーボンを使って打感を柔らかくして、芯を外した時の
衝撃による不快感を吸収させたのです。
現在は同じ鉄製(スティールシャフト)でも固さの違う製品が出回り
ますますシェアーの奪い合いが過熱しています。
柔らかいシャフトはしなりが出るので飛ぶと言って販売をしています。
しかも、打感が柔らかいので、芯に当たっていると勘違いし
それを好むゴルファーもいます。
ところが、プロ達はまたスティールシャフトに戻して、
現在ではアイアンにカーボンを使っている人はほとんどいません。
これはなぜかというと、カーボンは現在では鉄よりも硬い物が作れますが
捻じれに弱く、芯を外した時に曲がり方が大きいからです。
現在はポケットキャビティーにカーボンシャフトを入れて
軽量化したアイアンが高齢者向けに作られていますが、
飛ばない、止まらない、軽すぎて力むなどの弊害があり
若い男性にはむしろ逆効果かと思います。
MBとCBの違いはこんなものです。
MBでもそのまま上級になれば、周りの人もとやかく言わなくなります。
勝手に販売側が上級者用、初心者用と決め付けた都合の良い理論を
そのまま鵜呑みにした人達が、初心者がMBを使うと生意気だと言わんばかりに
オーバースペック説を唱えるのです。
上手い人なら1年半で70台が出せます。
この段階になるまではどちらでもスコア的にはあまり変わりません。
半年ごとにセット全てを買いなおさせるだけの品が今は揃いましたので
販売側の理論をそのまま鵜呑みにすると、毎年買い換える事になります。
上司には良く言われることかと思いますが、部下が自分より
上手い人が使う道具を使っている(という勘違い)事が面白くないだけで
その論点で話をしてもすれ違うだけです。
お金がないとか、90が切れたらご褒美に買うとかで対応する
と良いかも知れません。
また、最近のプロはMBかHCのどちらかですので、
選択肢は確かに増えてはいます。
(HC)
ただ、この段階で道具をいくら替えてもスコアは良くはなりません。
70台が出る頃になったらクラブは影響してきますが
その先はスピン量を増やして止めるというゴルフの内容になりますので
またMBが必要になってきます。
クラブメーカーは販売のために色々な理論を使い、反するデータや理論は
一切触れずに説明しています。
情報が混乱している時代ですので、巻き込まれないようにしましょう。
ちなみに一番スイートスポットが広いのはポケットキャビティーです。
飛距離は一番飛ばないクラブです。
(PC) from ModernSwing21