現在の流通している平均的ドライバー
体積は 445cc
重心距離は 40mm
慣性モーメントは 4500gcm2 をゆうに超えます。
●体積は そのままヘッドの大きさ です。
●重心距離は ヘッドの重量の中心点がシャフトからどれだけ離れているか です。
●慣性モーメントは ヘッドの重量の中心点(重心)を軸に
どれだけ回り難いか、その姿勢を維持しようとするか、
ヘッドの運動を持続させようか を表す数値です。
>慣性モーメントは数値が大きくなるほど、ミスヒットに寛容になります。
間接的ではありますが、ボールにエネルギーを伝える効率性
と言っても過言ではありません。
体積や慣性モーメントにルールの制限が加わってから
その変化は緩やかになりました(この10年)が、
⓴年前(2000年発売)のドライバーの
平均体積は 292cc
重心距離は 35.3mm
慣性モーメントは 3125gcm2
⓯年前(2005年発売)のドライバーの
平均体積は 413cc
重心距離は 37.9mm
慣性モーメントは 3900gcm2 です。
体積 445cc 413 292
重心距離 40mm 37.9 35.3
慣性MO 4500gcm2 3900 3125
20年で体積は 1.5倍
重心距離は 15%増し
慣性モーメントも 約1.5倍 です。
特に慣性モーメントが一番大きく影響を与えます。
(ゴルフクラブの進化 ソノモノ とも言えます)
✋あまり正しい表現ではないですが、宣伝文句的には
20年前のドライバーに比べ
スウィートエリアが 50%近く広がった というか
ミスヒットに対する耐性が 50%上がった というか
ヘッドがその姿勢や運動を維持するチカラが 50%増した
と言えば良いのか、『数値上』簡単になったのは確か な筈です。
同時に、体積も増え、重心もシャフトから離れ
ヘッドが回転し辛くなっている というのは明白です。
それを活かすのには どうすれば良いのか、
どう使えば良いのか ~どう振れば良いのか、
説明の余地がないほどの変化だと思います。
また、こちらも重要な要素ですが、20年前に比べ
市販ドライバーに使われるシャフトの硬さも20~30cpm 落ちています。
今、現在の S-シャフトは
20年前の R-シャフトより格段に柔らかくなって います。
ドライバー だけ を考えてみると
自称飛ばし屋 と言う人で Xシャフトを使っていても
20年前の Rシャフト並み 位のモノもたくさんアリ、
それで 重心距離の長いシャロータイプの
慣性モーメントも高いヘッドを振っている訳ですから
ヘッドを返す、とか ローテーション なんかは
論外・・・になる筈 なのですが…。
困った点、困ってしまう原因は
このドライバーヘッドの推移、変化、
ドライバーに装着されるシャフトの推移、変化 に比べ
アイアンヘッドは この20年で小振り化(軟鉄ヘッドの流通)
慣性モーメントの低下、重心距離、重心深度の低下
シャフトの硬度上昇(軽量スチールシャフトの普及化) と
全く相反する、真逆の 退化 を遂げたコトです。
(売れない…って怖いですね~)
一般の流通している市販品の
ドライバーとアイアンがどんどん離れたモノになっている現状なのです。
ここまで ヘッド、シャフト共に 特性が離れてしまうと
アイアンで作ったスイング、クラブ扱い では ドライバーは打ちにくく、
ドライバー用のスイングではアイアンは扱い辛くなります。
ボールの位置も共通…と言うわけには行かないほどの差です。
一体全体 どこに向かおうとしているのか予測が付かない程です。
スイング理論においても
従来の 小振りなヘッド/硬いシャフトのモノを振る振り方 と
大きなヘッド/柔らかいシャフトのモノを振る振り方 が
混在している状態に 「当然」なりますから
ゴルフクラブだけでなく、スイング論の見極めも必要になる時代です。
from ◆絶滅危惧種のゴルフクラブ創ります