20180901

元ゴルフ研修生クラフトマンのゴルフ相談ブログ: 右打ちのドローと左打ちのフェードは何が違うのか

【読者様からの質問】
「質問です。
良くフェードボールよりはドローボールの方が力強く飛距離も出やすいと言われますが、右利きのフェードと左利きのドローは、ボール回転としてはあまり差は無いように思えてしまいます。
どういった違いがあるのでしょうか?
素朴な質問で申し訳ありませんが宜しくお願いします。」



【倉木真二の回答】
結論から言うとドローボールの方がボール初速が速くなる為です。
また、ドローボールを打つスイングはアッパー軌道とも相性が良いです。
アッパー軌道で打つと

・ボール初速が速い
・打ち出し角度が高い
・バックスピン量が少ない

と言う弾道になります。
この弾道は飛距離的に有利です。

ボール初速が速くなる理由は簡単に言えばドローの方がインパクト時のスピンロフトというものを少なくすることができる為です。
スピンロフトが少なくなるとボールのスピン量が少なくなります。
スピンは摩擦の大きさに比例します。
摩擦は物体A、Bの衝突時のエネルギー伝達ロスの大きさに比例しますので極端に言えばバックスピン量0が最もヘッドスピードに対するボール初速の高いインパクトになります。
しかしボールの飛距離を出すには揚力が必要でありバックスピン量が0だと揚力不足で飛距離が極端に低下します。
ドローボールはバックスピン量が少ないので揚力が小さいですがクラブヘッド入射角をより鈍角にして打ち出し角度自体を高くするスイングを行いやすいので(アッパー軌道はインサイドアウト軌道になりやすい)クラブヘッド入射角で打ち出し角度を高めて弾道の高度を確保できます。
ドローを打つ場合はフェードを打つ場合に比べてロフト角が立ちますのでスピンロフトが減る傾向にありボール初速が速くなる要素もあります。
レフティの場合はこの左右が反対になるだけなので

右打ちのドローの球質=レフティのフェードの球質

にはなりません。

とは言え12年前くらいからはボールとクラブの進化でバックスピン量を減らしつつも打ち出し角度を上げやすくすることに成功していますのでさほどアッパーに打たなくてもバックスピン量を減らせますからフェードボールとドローボールの飛距離差は小さくなっています。


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