20160126
ModernSwing21: リストターンをするタイミング
Question
リストターンをするタイミングを教えてください。
ダウンスイングのどの辺りでリストターンを開始しますか?
右足の前ですか?
Answer
まず、動作の確認をしたいと思います。
クラブを返す事をリストターンともいいます。
実は手首を回すのではなく、ベンホーガンは肩から腕全体を回せ
と指導していますので、これはアーム・ローテーションという事になります。
(骨を軸とした腕の回転)
リリースはこの左腕のローテーションとアンコックの両方の動きをいい
クラブ(フェイス)を返すことを言います。
そのリリースポイント(開始ポイント)はどこかというご質問だということに
統一してからお話をしたいと思います。
最近、サイトでハタキ打ちを教えるスクールがあり
手首を回転させてリリース速度を上げ、
落下力と手首の回転を使って叩く打法を推奨しています。
本来の打法のコンセプトは
体全体を使ったあらゆる技術をほどよく少しずつ使い
バランスも良く、怪我も少なく、そして安定し易い打ち方なのですが
その一部だけをマックスに使って飛ぶからという理由だけで作り上げた
ガラ系打法がキノコのように誕生しています。
この打法はべた足打法とも呼ばれていたりするのですが
分解写真の一部だけを欧米選手と比較して、全く同じ形で打っていると宣伝し、
マキロイがべた足打法だと主張する一派です。
リリースの開始はこの打法ではトップからで、ヘッドを先に下ろして来る
といった、「クラブを立てる」と主張する打法で、力ずくでヘッドをぶつける、
落下力を使って叩く、ハタキ打ちなのです。
ベンホーガン、アーノルドパーマー、ジャックにクラウス、タイガーウッズ
マキロイと歴代のスーパースター達が全員行っているレイトヒティングを
真っ向から否定している打法の一つでもあります。
彼らの言い分はリリースを遅らせるとスライスがでて
それを防ぐために手首をこね回すから引っ掛けたりするのだとするものです。
彼らの打法こそアームローテーション式のリリースではなく、
本当に手首をこね回すリストターン式のリリースなのです。
宣伝用に作られたリストターンのドリルを見るとそれが分かります。
クラブを上下させながら、手首でこね回すドリルをさせるのです。
確かにこれによってリリース速度が上がりますので
スイング速度を上げて叩けば初心者よりは飛距離は多少でますが、
これによって怪我しやすくなるばかりではなく、右肩からの押し込み、
体重移動、突き刺し、右腕のスナップ、蹴りなどの重量を出す技術がないので、
マキロイ打法からはほど遠い打ち方なのです。
リリースを遅らせて真っ直ぐに打つには、それなりの訓練が必要で
それが飛距離を出す技のひとつなのです。
通常のレイトヒティングは右足当たりでシャフトが水平になっているのですが
タイガーウッズは左足近くで水平と、かなり開始ポイントが左です。
日本のプロも、欧米のプロも、歴代のスター達も程度は違いますが
皆がやっているレイトヒティングをスライスが出るからやらない
というのは初心者の発想であり、筋肉だけで飛距離を出そうとする
無理のある打法なのです。
スライスで悩んでいる初心者を惑わすガラ系打法に誘惑されず、
レイトヒティングを習得することをお奨めします。
from ModernSwing21