20180104

元ゴルフ研修生クラフトマンのゴルフ相談ブログ: データ計測数値からスイングの問題点を見極めて解決策を実行する重要性

【読者様からの質問】
「倉木様

いつも質問に丁寧な回答を頂きありがとうございます。


今回は、某量販店の計測結果について、
ご意見をお伺いしたく思います。


所有のアイアン
PING ANSER 7番、36.75インチ、ロフト32.5度、ライ角60.75、KBSTOUR(R)での計測。

H/S 36m/s
打ち出し角 26度
バックスピン 6500rpmぐらいだったと記憶
飛距離 145yd
ミート率 1.28~1.3だと記憶。

メモを忘れており、良い結果だけ記憶しているようです。


カメラ撮影では、フェースオープン、
インパクトライ角は55度(本当かどうか疑問は残りますが)

アイアンの高弾道、ダフり、シャンク、出玉が右に出やすい、が悩みで
振り遅れ、過度のインサイドアウト&アッパー軌道であろうとの自己診断。

上記の計測数値は自己診断を裏付けることが出来るのか、ご意見伺いたく思います。
(実は、自己診断は間違っていて、数値から違う原因が読み取れるのか)

以上、よろしくお願いいたします。」



【倉木真二の回答】

サイエンスアイによるライ角測定は手動でマーキングする上にカメラが水平にセットされているかどうかもありますから多少の誤差は出ます。
ライ角を測定するマーキングをシャフトにしてしまうとトーダウンの影響も有りよりフラットな数値が出ます。
しかしながらそれでも55度という数値が出たならば、身長が不明とはいえどもフラットすぎるインパクトです。
そして弾道数値もフラットでアッパーなスイングに合致するかのような数値ですのでフラットなのは間違いありません。
概ね59〜62度程度が妥当です。
因みにタイガーウッズ程の身長でも6番アイアンはインパクトライ角は61〜62度程度です。(アップライトという説は間違いでクラブのライ角も5番で61度前後です。)
スイングの問題に関してはおっしゃる通りアッパー気味、フラット、振り遅れのパターンです。
ヘッドスピードを考慮するとクラブ長とロフト角に対する適正な打ち出し角度は高くても22度、バックスピン量は6100〜5700rpm程度に抑えたい所です。
サイエンスアイでヘッドスピード36m/sだとトラックマンでは34m/s位になります。
女子プロの7番アイアンの平均ヘッドスピードは34m/s程度、ボール初速は46.6m/s程度でミート率は1.37です。
質問者様が計測したデータを女子プロのトラックマン計測数値に置き換えるとヘッドスピード、ボール初速共に同じ位になりますのでボール初速に関しては悪くありません。
インサイドアウト軌道系はボール初速が出ますのでこの点に関しては問題ありません。
やはり問題は打ち出し角度とバックスピン量です。
スイングに加えシャフトにも原因があるように感じます。
弾き系のKBSにすることで振り遅れを防止するのは有効に働いていますが先端の走りとRというフレックスが原因でバックスピン量がさらに増えていると考えます。
例えばCテーパーにすれば打ち出し角度、バックスピン量共に減少させることができ、弾き系の基本的な特性は変わらないので振り遅れ防止にも有効です。
まずはスイングの改善に努め、スイング軌道や進入角度などが最適でもバックスピン量と打ち出し角度が多すぎる場合はリシャフトすると良いと感じます。
スイング改善に関してはアウトサイドイン軌道のフェードを打つ練習をすることが有効です。
定期的にスイング軌道を確認すると進捗が分かりますのでぜひ行ってみてください。
確実に言えることは思っている以上にスイング軌道は変化しませんから極端にやると良いです。
数値計測をした行動力やスイングの自己分析力など非常に素晴らしいと感じました。


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