お店を訪れた方のスイングや
クラブ、ヘッドの傷やフェースのボール痕
などを見れば、十中八九 どんな球を打ち、
どんなことを苦手とされ、
どんなことに悩んでいるか 推測が付きます。
これは別に手品でもなんでもなく、
変な例えではありますが、
事件現場の物的証拠…みたいなものですから、
スイング刑事、ゴルフクラブ刑事としては
一応ベテランな私にはそう難しくありません。
弾道の悩み、スイングの悩み、苦手の克服など
実はシンプルな方ほど 簡単に改善します。
(人柄とか、性格とかの話ではありませんので、あしからず)
それはどういうことか、というと
よくある話ですが、
多くの人はスイングを円弧を意図的に造るモノだと思い
ちょっと安易な表現ですが、
ダウンスイングで先に体というか、足を動かし、腰を回し、
骨盤が正面を向いてから、肩というか腕を振って
クラブを動かします。
胴体をへそあたりから下の骨盤(腰)と
へそから上の肩 と二つに分けて使っています。
自分では ダウンスイング後半につかう
へそから上の肩 も体だと思っていますし、
腰と肩を別に使うことを『スイングの溜め』とも思っています。
腰が正面を向いて"から"
肩…腕を動かしクラブを振るので、
ボールを打つ時には 既に体は開き、
左サイドは上がっています。
👉👉👉👉正面の存在しないスイング です。
そのクラブの扱いでは
必ず 体は左が高く、右が低くなりますので
アドレス時に想定している スイングボトムは
必ず ボールの手前(右)になります。
そうなれば ヘッドに奥行きのある
フェアウェイウッドは上手く打ちにくくなります。
また このスイングでは
どちらもやさしくはありませんが…、
左足下がり ではそこそこです。
左足上がり ではより一層 右サイドが下がるので、
あまり得意とされていません。
このスイングでは 普通に打てば
体は開き、右サイドが突っ込むので
高めのための やや右回転気味 になります。
距離もあまり満足していないでしょう。
この扱いであれば、バンカーはさほど苦しみません。
アプローチのダフリトップはついて回りますが、
毎度毎度 ややショート気味を除けば、
経験値相応のアプローチになるでしょう。
問題はここから先です。
前述の通り、
先に腰を回し、あとから肩~腕でクラブを振る
そのスイングは 俗に言う「アウトサイドイン」
正しくは「正面のないスイング」ですが、
一般的には「振り遅れ」と呼んでいます。
体が開いていますから、右サイドが下がり、
右サイドが下がっている分、
右肩とボールの距離は詰まって(近づいて)いますから
右腕が伸ばせません。
👉右腕が伸ばせなければ、ロフトは開き、
フェースは右を向きますので、
放っておけば 高めの右回転 です。
スイング也な弾道です。
ところが、この同じスイングをしているのに、
自分の練習と経験によって
ヘッドを返したり、色々な方法を編み出し、
左回転(フック)の球を打っている人がいます。
自分なりの方法を「編み出して」いますから、
問題はより複雑化し、深刻になります。
体を開いて その方向に引っ掛けを
意図的に打っているのですが、
本人のその認識はなく、
意図的に ひっかけを打つので
アドレスの向きもどんどん右向き、
クローズスタンスになって行きます。
少々、嫌味も入れますが、
その「意図的な引っ掛け」をドローだと思い、
ドローボールを打つ、打てない を
スイングの習熟度の基準としているので
その複雑な打ち方をどんどん深めていきます。
勿論 体は開きますので、
シンプルな方のフェアウェイウッドの不得手と同じく
余りフェアウェイウッドを得意としませんが、
コチラの場合、自称 中級者以上なのに
バンカーやアプローチもあまり得意としません。
経験と練習量によって それはカバーしていますが、
この複雑な打ち方を維持するのには
その頻度や量はかなり要するので、
年齢とともに かなり難しくなります。
体は開いているのに 左回転を打っているので
当然 体の使い方は複雑…。
にもかかわらず ショットやスコアを維持するのには
練習量・頻度ともに必須条件…。
体がもちません。
・・・・と言う方が大勢お店にお越しになられます。
始めの 体を開いて右回転を打ってくれている方は、
スイングのメカニズム通りなので
スイングのメカニズム・クラブのメカニズムを
理解すれば、人によって時間はかかるかも知れませんが、
問題がシンプルですから、必ず解決します。
ところが、体の使い方やクラブの使い方
その言葉の通り「こねくりまわしている」人は
スイングのメカニズム・クラブのメカニズムを
字面で理解したとしても、
それを無理やり 物理や科学を乗り越えて使ってきたので
そう簡単には行きません。
左回転…自称「ドローボール」を
スイングというか、ゴルフ上達の基準値としてる節があるので
右回転「スライス」を打つのに大変抵抗があり、
本来 その体の姿勢や使い方から
素直に打てば出る筈の「スライス」に
立ち返ってくれるのを異常に嫌います。
そして その二つの傾向は
ゴルフクラブの「選択」にも表れ、
後者の「引っ掛けフック」を打つ人は
軽いヘッド、
小さいヘッド、
重心距離の短いヘッド、
ロフトの立ったクラブ、
小振りなヘッド、
バンスの少ないウエッヂ、
ユーティリティクラブ、
硬いシャフト、
軽量スチールシャフト、
を好みます。
また クラブのセッティングの中のバラつき
例えば アイアンセットの中のバラつき で
一本だけ柔らかいモノが混じっていると
それを上手く打て、それが飛ぶ人は
「クラブに助けて貰えます」し
シンプルにスイングを改良していけます。
時間もあまりかからないでしょう。
しかし、そのバラツキの中で
より硬いものほどうまく打てる人は
「クラブに助けを求める」のを苦手としていますし、
実際に クラブの性能を封じ込めるような使い方をします。
助けてあげたいですが、
内実、ご自身からそれを拒否しているので
簡単ではないですね~( ゚Д゚)
体を痛めず、楽しければなんでも良いですが、
我々の年齢になってくると この使い方では
どこかに痛みが出てきますし、
人は本能的に 痛みの出る動きは速く動きたくありません。
危険回避の本能です。
距離が出なくなってきた…のではなく
距離を出すための速度が怖くなってきている のです。
そりゃ そうですわ。
胴体には横にひねる「機構」がないのに無理やりひねって、
体の姿勢からすると 両腕の長さの都合が付いてないのに
それを無理やり都合付けてるのですから
無理が生まれます。普通は壊れるか、断念してます。
それを維持してきたのです。
そこの 考えの転換
それそのものが「スイング改造」なんでしょうね。
技術の問題ではない気がします。
from ◆絶滅危惧種のゴルフクラブ創ります