20160802

ModernSwing21: 左腰リードで振り遅れないのですか?


Question

ベンホーガンは左腰のリードで打って、
何故インパクトで振り遅れなかったのですか?


Answer

左腰リードという表現も曖昧ですが、動力は下から上に
伝えられていきます。
これはムチのように手元が降りている時には先端は上に上がっており
その後から先端が落ちて来るしなりです。

このムチのような「しなり」を使って打つのがゴルフです。
ゴルフのボディーターンは下半身がムチの手元となり
クラブのヘッドがムチの先端となります。
(これを販売側は体がしならない人はシャフトでしならせる、と言って
柔らかいシャフトを売ろうとします)

下から回転運動が始まり、腰、肩、腕、クラブと
徐々に先端に力が伝えられて行く動きが、このムチ効果なのです。
これによってヘッド速度が上がり、勢いの良い球が打てるようになるのです。

これがいわゆる左腰リードという表現で表されていると仮定して
お話をさせていただきますのでご了承ください。

まず、ベンホーガンに限らず、プロ選手はほぼ全員
左腰を開いてその力で打っています。
反面、アマチュアはほとんどが手振りで、腰の開きによって
HSをあげている人は少ないのです。
そして、振り遅れているのはほとんどがアマチュアで
腰を開く事と振り遅れることは別問題だということが分かります。

次に振り遅れ現象ですが、これはインパクト時にフェイスが
右を向いていることをいいます。
これによってスライス球になるので、ヘッドが手よりも遅く来るからだ
と決め付けた表現です。
ヘッドが遅れて来ても、フェイスがスクエアであればスライスは出なりません。
これはハンドファーストといわれる形です。

これもいい加減な表現なので誤解しやすいために
ここでその定義を確認いたしました。

フェイスがスクエアにならない原因はローテーション不足です。
左腕の骨を軸とした回転によって、フェイスが回転しますが
その動力はリリースの動作にあります。
ヘッドアップによる反り返りなどの影響で、リリース時のローテーション度が
間に合わず、開いたまま当たることなどが良い例です。
スライスの原因はこのローテーション不足が直接の原因なのです。

ほとんどのケース、無意識に思い切り横ぶりすると、ヘッドが遅れて来てしまい、
このローテーションが間に合わないために、スライスになるのですが
振り遅れとはヘッドと手の位置関係を言うだけで、決して
ローテーション不足という解説はほとんどされていません。

タイガーウッズは3Wでもハンドファーストで打ちます。
DRでもハンドファーストで打っている選手もたくさんいますので
手とヘッドの位置関係でスライスが出るのではないのです。

まして、腰が開いても開かなくても、スライスの原因は
フェイスの向きだということですので、直接の原因ではありません。

正しいフォームを習得し、その動きを定着させ、タイミングを調整し
方向調整をして精度を上げ、完成度を高めることでゴルフは上達します。
聞きかじりのジャンク理論や勝手な想像で基本から外れないようにしましょう。








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