【読者様からの質問】
「倉木様
いつもブログ拝見し勉強させていただいております。ありがとうございます。
最近、ドライバーのシャフトをDiamana BF60Sに変更しました。
とても相性が良くFWのシャフトも変更しようと検討中です。
(当方、1W HS 45前後になります。)
悩んでいるのは、
①3WはDiamana BF60Sにしようと検討しておりますが、先端剛性のあるシャフトでチップカットはどのくらい必要なのでしょうか?
②5Wは、Diamana BF70SにしようかDiamana Thump65Sにしようかと悩んでおります。
また、その他ご提案いただけるシャフトはありますでしょうか?こちらもチップカットはどのくらいにすべきでしょうか?
③UTのシャフトは、MCHになり他社のブランドになりますが、Diamana BF、DG120のつなぎになるシャフトはありますでしょうか?あまりきにする必要はないのでしょうか?
チップカット量については、シャフトの特性がある中で素人では判断ができず倉木様のアドバイス頂戴できればと思います。
また上記以外にも全体のセッティングについてアドバイスいただければ幸いです。
どうぞよろしくお願いいたします。
<現在のセッティング>
1W(10°):BALDO コンペチオーネ568(460cc) Diamana BF60S
3W(14.5°):BALDO コンペチオーネ568F
5W(17.5°):BALDO コンペチオーネ568F
UT(21°):A GRIND BX-H MCH 90S
UT(24°):A GRIND BX-H MCH 90S
5I(27°)~PW(46°):三浦 MC-501 DG120S
W(52,58°):Vokey SM7 DG120S」
【倉木真二の回答】
・1について
複数の番手を同じシャフトにしてさらに剛性の流れを揃えると言うのは、要は同じバットカット長を同じにして後はチップカットで長さを揃えることを指します。
大抵は同じシャフトで流れを揃えるのであれば、1Wチップカット無しで3Wは1.5〜2.0インチチップカットが必要になります。
(クラブ長差が2.0インチ、ネック長差が0.5インチ程度が多い為)
なので多くの場合は1Wと3Wを同じシャフトにするとトリミング長不足で3Wの流れが揃いません。
また、同じシャフトを使用するのでカット長の多い3Wの方がシャフト単体の重量も軽く仕上がります。
両方とも特別大きな問題というわけではありませんがあえて行うほどのメリットも無いシャフト選択です。
そういった理由により3Wは1Wよりもカット前重量が重く剛性も高いシャフトにすることで流れを揃えやすくなります。
流れを無理に揃える必要もありませんが、あえて1Wと同じシャフトを3Wに使用する必要もありません。
3Wと5Wのシャフトを同じにする方が1Wと3Wを同じシャフトにするよりもマッチングは良いです。
大抵のシャフトは同じシリーズで重量がアップすると剛性も上がります。
有名どころで説明すると藤倉シャフト、グラファイトデザイン、三菱ケミカルなどは重量別に剛性フローができています。
USTマミヤは重量が重い方が軟らかいモデルもあったりと複雑です。
番手別のシャフト剛性の仕上げ方には複雑なノウハウが必要です。
例えばアイアンシャフトのKBS FLTのような番手別設計がありますが、個人的な意見としてはこのシャフトの剛性フローの方が合理的で進化をしていると感じます。
通常のディセンディングウエイト(番手別設計シャフト)の剛性フローは先ほど説明したバットカット長を同じにして先端カットで剛性をフローさせるという考えのもと設計されていますが、この方法だと誤解を恐れずに言えば番手別に対応しなければならないスイング変化量の負担が少し増えます。
要はショートアイアンが先調子系の剛性でロングアイアンが元調子系の剛性という見方をすることも可能ということになります。
KBS FLTは通常のディセンディングウエイトシャフトの番手別剛性フローと比較するとロングは先調子(相対的に手元剛性が高めで先端が低め)、ショートは元調子(相対的に手元剛性が低めで先端が高め)に仕上がっていますが、クラブヘッドの機能や弾道を考慮するとこちらの方が合理的と考える見方もできます。
ドライバーに60g台、フェアウェイウッドに70g台とするセッティングの場合、チップカットに仕方やカット後シャフト長にもよりますがKBS FLTのような剛性フローになる(ドライバーに対してフェアウェイウッドの先端剛性が高めで手元剛性が同等、または低め)に仕上げやすくなります。
また、ドライバーとフェアウェイウッドのクラブヘッド入射角の変化はやや大きめなので、より鈍角なドライバーはフェアウェイウッドよりも手元剛性が相対的に高め、先端が相対的に低め、の方が合理的にはなります。
フェアウェイウッドは地面にあるボールを打ちますので、クラブヘッド入射角がマイナス(ダウンブロー)になるのが正しいので、ドライバーに対して手元の剛性が低め、先端が高めの方が地面にあるボールをヒットしやすくなります。
・2について
ディアマナBFの方が流れは良くなります。
チップカットは仕上げのクラブ長にもよりますのでもう少し細かな情報が必要です。
・3について
MCHでも大きな問題はありません。
個人的には1W45インチ、3W43インチ、5W42.5インチで仕上げる場合、3WはBF70のSでチップカット0.5、5WもBF70でチップカット1.0、あたりが無難と感じます。
from 元ゴルフ研修生クラフトマンのゴルフ相談ブログ