業界ニュースを見ていると
軽量スチールシャフトが
さらに進化と言うか、軽量化が進み
アイアンで言うと素材として
グラファイトとスチールの重量的境目が
なくなって来ている。
それはそれでゴルファーの選択肢が増えた
と考えられるので悪いことではないが
どうも アイアンヘッドの軽量化 が進みそうな気配が
してきている。
何度も説明しているが
スチールシャフトの場合、
細くなる先端部分を補給する手立てが
単一素材であるため、大変少ない。
素のシャフトを見たことがある人は
分かると思うが、先端部はグリップエンド部に
比べるとかなり「肉厚」になっている。
が故に、シャフト単体のバランスが先端寄りになり
そこの部分を自由にバランス配分・強度配分できる
グラファイトに比べると
装着できるヘッドの重量に大きな差が出来てしまう。
長さを同じにして考えると
グラファイトに装着できる ヘッド重量に比べ
15~20gも軽いヘッドが使われている。
(従来のスチールシャフト比)
これが よく言われる グラファイトが飛んで
スチールシャフトが飛ばない 一番の原因と言える。
まあ 裏話では成るけれど
モデルとして グラファイト専用ヘッドの場合
飛距離を求めるユーザーのため と言うのもあるから
ストロングロフト設計と言う場合もあるにはあるが…。
軽量スチール化が進むことによって
どうもそれに伴う ヘッドの軽量化が進んでいる らしい…。
従来のスチール用のアイアンヘッド重量(5番)が
240g強
普通のグラファイト用のヘッド重量が
260g前後
弊社の悶絶アイアンと呼ばれるもののヘッド重量が
300~310g
ということなのだが
いまや 220~230g のヘッド重量のものが
かなり出回っている。
ゴルフ業界事情として
特にアイアンセットが売れなくなってから久しいが
すでに セットと呼ばれるものが
5番アイアンからの構成が故に
ストロングロフト化が顕著に進み
今や 24度より立った5番アイアンヘッド
30度よりも立った7番アイアン も少なくない。
そこで軽量化し、長尺化を狙うのかも知れないが
練習量も少なく、体力や運動性能にも自信のない
おじさんアマチュアゴルファーにとっては
いくら進化が進み低重心、深重心のヘッドに
なったとしても、コースで楽に打てるアイアンのロフトは
だいたい30度が境目になるので
今のストロングロフトのアイアンセットでは
7番から後ろ(8.9.P.PS.SW)
6本のアイアンしか 楽しめないことになってしまう。
まして スコアと言うものが一つの目標となっている
ゴルフの場合、そのスコアを作るために使う
アイアンが守備範囲が広く、アマチュアが最も
打つであろう 130ヤード以下
100ヤード以下にクラブが少なくなってしまう。
180~130ヤードの距離の間をクラブで充実させるのと
130~80ヤードの距離の間をクラブで充実させるのでは
どちらが スコアの味方になるか
誰でもわかるだろう
ヘッドを軽量化する
長尺化する
ということは
打ち手が速く振る という事が前提となる。
遠くに飛ばせなくなって
クラブに頼りたいから、クラブを買い替えようと
思い立ったのに
結局、自分が速く振らなくてはいけないクラブには
魅力を感じにくいのではないかと思う。
弊社での実験データでは
アイアンの 1インチの長尺化 では
誤差程度しかヘッドスピードが変わらず
基本、長いクラブを苦手にしているアマチュアゴルファーに
とっては、長くした方がスピードが落ちてしまうケースも
否めないところ…。
軽量スチール、軽量ヘッド
ストロングロフト化して長尺。。。
そういうクラブもあっていいと思います。
思いますが、
最終的に速く振ることの出来る人だけに
恩恵があるので
クラブを速く振ることの出来る人は
クラブに頼らないゴルファー層(ゴルフは腕-層)なので
その人たちのために、
ゴルフクラブ開発も進めてもなんだかな…って気がします。
打撃部分である ヘッド重量を軽量化することが
ヘッドのモーメントを下げ(慣性力を下げ)
ミスヒットに弱くし
打撃衝撃に弱いがゆえに
手首や肘、首などに加わるうれしくない衝撃も
増やしてしまうことが
どんどんのゴルフクラブ需要、ゴルフ人気を
下げてしまうと危惧するのは私だけだろうか…。 from ◆絶滅危惧種のゴルフクラブ創ります