【読者様からの質問】
「倉木様
いつも楽しみに拝見しております。
10年のブランクのあとようやく2年経ち、なんとかゴルフの進化に追い付いてきたような。。。その間こちらのブログで教えてもらったことは凄く大きいです、感謝しております。
ドライバーは10本? アイアンは5セット目の現在のクラブセッティングです(涙)
1w バルドコンペティチオーネ568(460)
10.5度 ファイアエクスプレスRB5S 45.5インチ d1 300g
3w バルドコンペティチオーネfw
14.5度 ファイアエクスプレスRB5S 43インチ d1 316g チップカットなし
5w 917f2 18度 フブキAXf55SR 42.25インチ d2 326g
UT 816h1 23度(22度で使用) フブキAXh350R 39.5インチ d2 360g
UT 816h1 25度 ゼロス8S 38.5インチ d1 386g
6、7i ピンi200 awt2.0ライトSR
8~pw ピンiブレード awt2.0ライトSR
(ロフト1度立てて使用)
50度(49度で使用) ピングライドウエッジ2.0 awt2.0ライトSR
54度、58度 ピングライドウエッジ2.0 モーダス120R (コントロールショットのみで使用)
グリップは全てエリートTD50ソフト
1w飛距離230ヤード、切り返しでしなりがないとタイミングが取れず、多少の走り感がないと無理やりリリースしてしまうような感じがします。
切り返しでシャフトの力を借りてタメてあとはシャフトの走るタイミングに合わせて振り切るというスイングが合っているとして上記のセッティングはいかがでしょうか?
アイアンからドライバーまで振り感を揃えるのが難しいと感じています。
軸になっているのは3wでティーアップでも直打ちでも満足していて、切り返しもリリースもタイミングが取りやすいです。
特にしっくりこないのはUTです。色んなシャフトを試してもどうしてもヘッドが返りすぎて、もしかしたら重心距離の問題かと思ってきています。ストレートネックでとても構えやすいのでずっと使っていますが。
全体的、部分的な問題点などなんでもアドバイス頂ければうれしいです。」
【倉木真二の回答】
切り返しでシャフトのタメ、インパクト直前では先端の走り、この2点を要求するスイングというのは、まさにタイミングがより重要になります。
タイミングの合うクラブに仕上げられると優れた成果を発揮するのですがタイミングが合わないとバラける傾向にあります。
なので、基本的に多くのプロはこのような方向性でスイングを仕上げません。
特に欧米のプロは顕著だと感じます。
良い意味で「やや鈍感」なスイングに仕上げます。
質問者様がおっしゃるような「先端が硬いと無理やりリリースしてしまう」というような動作をすることでインパクトゾーンを長く作って安定させるタイプは切り返しのタメを求めますのでダイナミックゴールドのような手元の粘りと先端の安定を要求します。
反対に、強いタメは自分のスイングで作りインパクト直前から一気に鋭くリリースし、それでも振り遅れないようなフィーリングを求めるタイプは手元と中間が硬く先端が軟らか目の物を好む傾向にあります。
その中でもコントロールを重視する、またはフェード系であればKBSツアー系、振り遅れ、プッシュアウト防止、つかまり、ドローを重視するならモーダス130などになります。
ダウンでタメを作り、インパクトで先端が走るということは手元と先端の剛性が低く動きにメリハリが出るタイプとなります。
ドライバーシャフトの剛性に大きな問題はありませんがタメと走りを求める場合はクラブを長めに仕上げるのはあまり向きません。
長く仕上げたシャフトでタメを作ると打点がばらけ易くタイミングも取りにくくなります。
なので基本的に長尺に対応するシャフトは手元の剛性が高いものが多いです。
個人的には
・飛距離は落ちるけどタイミングの取りやすさを重視して45インチにする
・飛距離を優先して多少扱いにくいけど今のままにする
ドライバーに関してはこのようになります。
フェアウェイウッドはドライバーと同じシャフトを入れている上にチップカットすらしていないということなのでドライバーに対して軽い上に軟らかすぎるの流れはとても悪いです。
ただしドライバーだけ飛距離を重視して硬めにしてやや高めのティーアップでアッパーに打つということであれば今のままでも良いです。
5WのFUBUKIはチップカットにもよりますがさらに3Wとの流れは悪く3Wよりも相対的に軟らかい上に軽いです。
剛性は手元と先端が低めのタイプなので合っていると考えます。
ドライバー飛距離が230ヤードということなのでボール初速は60m/s程度出ると考えると5Wは軟らか過ぎます。
3Wと同じシャフトを入れて42.5インチに仕上げるなら0.75インチチップカットするのが剛性的に良い流れになります。
個人的には42.5インチ仕上げでチップを0.5インチカット(厳密にはネック長などを考慮して3Wと5Wのバットカット長が同じになるような仕上げにする)のが良いと考えます。
ユーティリティーに関しても3Wからの流れを考慮するとシャフトが軟らかいです。
これもフックの一因ですが一番はロフト角が大きいことだと考えます。
詳しい説明は割愛しますがユーティリティーはロフト角が大きくなるほどフックし易くなります。
なのでライ角をフラットにすることでフックを防止できると考えます。
25度のゼロス8Sは手元と先端の剛性が低めのタイプなので3Wからの流れは悪くありません。
アイアンのシャフト剛性、重量なども特に問題はありません。
まず最も流れが悪いのは1Wのシャフトです。
突出して
・剛性が高い
・重量が重い
という状態です。
3Wに合わせるならスピーダーエボリューション2の474、SRが妥当です。
ただしボール初速を考慮すると軟らかいのでバックスピン量が増加し飛距離ダウンする可能性はあります。
非常に複雑な要求と状況なので簡単に結論を出せませんが、3Wは軟らか過ぎるが故に楽に打てているから好調に感じるだけではないかと推測します。
フェアウェイウッド、ユーティリティー等は全体的に重量と剛性を上げた方がスイング的に良い影響を及ぼすのではないかと感じます。
from 元ゴルフ研修生クラフトマンのゴルフ相談ブログ