【質問】
「倉木さん
いつも有益な視点でのコメント、ありがとうございます。
ちょっと変わった質問です。
ドライバーがスリクソンZ-TX`TOUR(420cc)2010年モデルでしたが
寄る年波で重たく感じていたところ、2014年秋に友人が米国の
ENZOというシャフト(60g)Sに変更してくれるということでお願いしました。
全重量が302gになりました。
しばらく調子が良かったのですが、シャフトの中でシャカシャカと
音がしだしたので、友人に相談すると接着レジンが剥がれたか
シャフトが傷んだかだろうということでグリップをとってみると
中から、レジンカス(小さなウンコ状)が数個出てきました。
掃除をして再度使用していましたが、最近また同様の音がしています。
現在海外在住で、年間百ラウンド以上していますがスイング中には
特に音は気になりません。
HSは44前後、キャリーは210-240Y程度でHCは12.6です。
ちなみにアイアンはI-302のヘッドにNS-PROのV90です。
年齢が67ですが最近ドライバーのスイングで変更した点はヘッドの
セットアップで、トウを少し上げ気味にしスイングプレーンを意識して
右手のホールドをヒットするまでトウダウンしないように注意しています。
そのために内部に別の応力が出て新たなカスが発生したような気がします。
こういうクラブでのゴルフは良くないのでしょうか?
ドライバーは別にXXIOを持っていますが、軽く振れるのですがランが出ない
ので、イマイチ気に入りません。
よろしくお願いします」
【回答】
接着剤のカスがシャフトの中でカラカラと鳴るのは
・強度の低い接着剤を使っている
・接着剤の使用量が多い
・シャフトの中に接着剤が入らない工夫をしていない
ということが主な原因です。
結論から言えば機能的にほぼ問題はないことが多いですが、ヘッド抜けに注意した方が良いと感じます。
打っていていきなりヘッドがスポーンと飛んでいくことはほぼありません。(稀にありますが。)
ジワジワとヘッドが回転しながらソケットとネックの間に隙間が出来始めます。
そうなったら再度、接着しなければなりません。
シャフトの痛み、ということはほとんどありませんし、スイングが変化したからということもあまり関係ありません。
アメリカのメーカーで個人向けに販売されている接着剤、例えばモルトビーのエポキシ系の接着剤などは接着強度が少し弱い感じです。
セメダインのアクリル接着剤と比較するとヒートガンで加熱して抜ける時間が倍以上違います。
なので、シャフトの中に接着剤が入った場合剥離しやすくなります。
シャフト中に接着剤が入ること自体は量が少なければ何も問題はありません。
シャフトを装着する場合、使用する接着剤の種類、接着剤の量、付け方、また、シャフトの先端の塗装やメッキを剥離して接着強度を高めているか、接着ビーズを使い過ぎていないか(使いすぎると接着強度が低下します)ホーゼルの内部は綺麗に掃除されていて、脱脂されているか、接着長は妥当かなど、基本的なことを一つ一つ丁寧にしなければなりません。
趣味で加工する方、また、個人でやっているプロショップ工房などは厳しいマニュアルがあるわけではないので自己流となりがちです。
大手ゴルフショップチェーンなどの場合はマニュアル化されているので、ヘッドの接着強度を低下させることに対してシビアに考えている場合が多いので、基本的に安心感が高いです。
大手チェーンショップのクラフトマン、個人工房の有名クラフトマン、どちらの加工も良く見ていますが、総じて大手の方が丁寧な仕事をしていることが多いと感じています。
個人工房のクラフトマンの方のブログなどでは大手の工房の悪口を書いたりすることが多いのですが、私は悪口を言うほど悪いと感じませんし、多数の店舗での加工の情報共有がなされていますので、個人店よりもノウハウがある部分もあります。
もちろん、個人店の全てが悪いことはありません。
大手ショップはクラブのライ角、ロフト角の調整で使う器具はシャフトの中心軸線を基準としないのでシャフト側面の傾斜の分だけズレが生じますし、クラブの長さを計測するスケールの最小単位が 1/4 インチとやや大雑把な部分があります。
最低でも 1/8インチが妥当です。私は 1/16インチの誤差が出ないようにします。
でも、当たり外れが大きいのは個人工房です。
個人の加工となると、さらに責任感も加工内容も低下しがちです。
ゴルフクラブは凶器にもなりますから、ヘッドが抜けないように注意しなければなりません。
繰り返しますが機能的に大きな問題はないと思いますが接着強度の心配もありますので、できれば大手チェーンショップで再接着をした方が安心できると感じます。
from 元ゴルフ研修生クラフトマンのゴルフ相談ブログ