先 週は、武田鉄也さんが金八先生で漢字の語源を説明しようとしたら、ある時突然日本の漢字の世界の常識が変わっていて、スッタモンダした、っていう話でした。
それは、1990年代後半くらいの出来事らしく、日本での漢字の語源に関わる辞書が、白川静という人の本の説にガラっと変わっていて、それまでの常識だった藤堂明保という人の本は、本屋さんからすっかり姿を消していたそうですが、藤堂氏の説が何を元にしていたかというと、中国で一般的な漢字の語源に関する本や考え方を日本語に訳しただけ、ということです。別に、藤堂氏が研究した成果でもなんでもないようです。中国の学者さんの意見を代弁していた、ということになります。
でもって、現代の中国では、共産党が一党支配しているので、漢字の語源に関しても、共産党に都合の良いものが採用されている、ということになり、それは、漢字というのは、一般労働者の遊びから生まれたという説で、それが共産党にとって都合が良く、そういう考えの学者が書いた本しか中国にはないそうで、そういう本を訳して紹介したから、藤堂氏の説は、中国共産党にとって都合のいい説、ということだったようです。
しかし、白川氏は、そんな中国の漢字の語源の本など一切相手にせず、自分で研究し、調べて仮説をたて、そして証明してきた学者さんだそうで、現在の日本では、この白川説が、やっぱ正しいんじゃね?っていうことになっているみたいです。
多くの専門家の皆さんが考えた結果、白川説が主流になったのだろうから、私にはわかりませんが、おそらく白川説が概ね正しいのだろうと思うし、藤堂説は、かなり間違っていたのでしょう。しかし、現実には90年代後半まで、藤堂説が主流で、テレビでもどこでも藤堂説の説明がなされていたわけで、そんな状況をテレビなどでも見ていたであろう白川氏からすれば、そんなテレビを見る度に、「違うよ〜〜、何パカなこと言ってんだよ〜〜、なわけないじゃ〜〜ん」って思っていたに違いなく、そのうち、そういうテレビやそういうことが書かれた雑誌や、金八先生なんて、絶対に見なくなったに違いありません。
藤堂氏は1985年に70歳で他界しているので、結局藤堂氏は自説が駆逐されて日本から消えることになったことは知らないわけで、でもって、白川氏は2006年の96歳まで長生きしたので、自説が認められて納得できたわけですが、結局のところ、多分、だいたいは白川説は正しくて、藤堂説は想像がほとんどだろうと思われますが、正しいことが必ずしも世の中に広まるわけではなく、それは天動説と地動説とか、地球は丸いのか?とか、果てはスポーツトレーニング論から歯の磨き方まで、正しいことがわかり、受け入れられるまでには、途方もない時間がかかることが普通で、それって例えばゴルフスイングでも、間違った動きを正しく修正する場合、筋肉さんは、間違っていたって慣れ親しんだ動きを正しいと脳に発信し、なかなか正しい動きを受け入れようとはしないのにも似ているので、それが人間の性(さが)というものなのだろうと思いつつ、今日もレッスン公開です・・・
from まる得!ゴルフレッスン公開